名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

はじめに

このブログでは、名古屋大学公認サークルである名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会(Twitter : @TaroSF) が活動報告やレビューを行っています。

活動内容

 名大SF研は、読書・映画好きが集まっているサークルです。週一で例会&本の内容について語り合う読書会をおこなっています。また、小説(時に漫画や映画なども含む)のレビューを部員が書き、それらをまとめて載せたPIT(イベントごとに発行)やBIT(不定期発行)という名の部誌を作っています。PITに関してはサークル内でテーマを決めて書き、コミケや名大祭、文学フリマなどで頒布を行っています。

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 現在も会員募集中なので、SFに興味がある名大生の方は下記連絡先やTwitterにてご連絡お待ちしています。他大学の方もお待ちしています。

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 不明な点がございましたら、nagoya.u.sfa[at]gmail.comまでご連絡ください。

「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」の考察

はじめに

 こんにちは、ノボルです。

 来たる金曜日の1/30、「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の2作目「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」が公開されます。率直に言って、とても楽しみです。映画の公開がこれほど待ち遠しいのは、大学に入って初めてじゃないだろうか。
 楽しみ過ぎて待ちきれないので、予告映像からいろいろ考察してみよう、というわけでこのブログを書きました。私は原作小説の方を読んでいないので、ストーリーがどういう結末になるかは知りません。
 私がこれまで観たガンダム作品としては、「ファースト」「Z」「ZZ(途中まで)」「逆襲のシャア」「ジークアクス」「閃光のハサウェイ」です。宇宙世紀の背景やMSの知識に関して拙い部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。

 

 

 

 

 

特報映像『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』

youtu.be2025/6/26公開

 

0:02~0:03

ハサウェイがヴァリアント艦長のブリンクス・ウェッジから、ギギの手紙を渡される。
手紙の文字が筆記体すぎて、内容を判別するのは難しい。

頑張って解読すると
「To  Hathaway
Looking  for  ???  in  Adeledie
from  Gigi  Andalusia
???(以下不明)」
アデレードの??を探せ」みたいな?公式HPのキャラ紹介に「アデレード会議開催場所の情報をマフティーに流す」とある。このことだろうか?

 

0:04

Ξガンダムとマフティーのギャルセゾンが3機、洋上を飛ぶ。
メッサーは伏せた状態で乗っているようだ。

 

0:05

雨に当たるケリア?と雨宿りするハサウェイ。
2人の出会い?

 

0:06

ヴァリアント船内にて作戦会議

 

0:07

通路を歩くケネス。一緒にいるのは彼の副官と海軍の士官?
軍の施設内だろうか。これに似た廊下は、前作でも登場していた。

 

0:08

夕暮れの海岸を見ながら、濡れた髪を拭くギギ
ケネスが用意したコテージだろうか?

 

0:10

Ξガンダムを運んでいる輸送船の傍を横向きで飛ぶギャルセゾン。こんな曲芸飛行をしているのは、おふざけ?
輸送船の甲板にガンダムむき出しで運ぶのは、いささか危険なのでは?1作目に監視衛星を破壊した描写があったとはいえ、すぐ捕捉されそう。
そもそもだけど、ギャルセゾンはどういう仕組みで飛んでいるのか。ミノフスキーフライトでは無いだろう。

 

0:11

ヴァリアント船内か。マクシミリアンとハサウェイの姿がある

 

0:12~0:13

ギギとケネスが夜のコテージで食事?
テーブルの上にはグラスが2つ。

 

0:13

刑事警察機構長官ハンドリー・ヨクサンがマグカップを傾ける。
HPのストーリーによると「ケネスに密約を申し込む」らしい。ケネスと刑事警察機構は仲良しというわけでは無いだろうけど、受け入れるのか?

 

0:15

車の後部座席から外を眺めるギギ。これはどこだろう、香港?

 

0:16~0:17

ペーネロペーと交戦中であろうΞガンダム。場所は砂漠の上っぽい。オーストラリア大陸かな?
どうでもいいですけど、ビームサーベルやレーザー銃の色は、交戦規定か何かで決められているんですかね?

 

0:23~0:26

夜明けor夕暮れを背景にするΞガンダム

 

 

 

 

 

予告『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』

youtu.be2025/10/10公開

 

0:00~0:04

仰向けになりプールで泳ぐギギ。
ギギ「死ぬときに、人は何を持っていけるのか」

 

0:07~0:08

エレベーターに乗る刑事警察機構長官ハンドリー・ヨクサンとゲイス・H・ヒューゲスト。

 

0:09~0:11

夕暮れ。Ξガンダム、メッサ―2機、ギャルセゾンが飛ぶ。ミサイルが2発飛んでくる。
Ξガンダムの下に炎が上がっている。
ケネス「百の単位で死体がゴロゴロしている」。なんて物騒な。

 

0:17

ヴァリアントの甲板に座るハサウェイ。
ハサウェイ「危険な少女に接触してしまった」

 

0:22~0:23

ケネス「上手くいくかな?」

ギギ「私は予言者ではなくてよ」
ギギはしっかりおめかししている。

 

0:24

携帯型対空ミサイルみたいなのを発射している部隊。
ガンダムに向けて撃っているのか、それとも、ただの訓練か。

 

0:26~0:28

ギギ「でも、水の下に行っちゃうんじゃないかな」
どういう文脈でこんなセリフを言ったのだろうか。

 

0:30~0:32

潜水するΞガンダムとハサウェイ

 

0:37~0:38

砂漠の上の戦闘で、ミサイルを発射するΞガンダム

 

0:38~0:39

ベッドで横になるハサウェイとそれを見つめるケリア。
ハサウェイ「すべてが狂っている」

 

0:40~0:41

レーンはケネスに殴られたのか?
ケネス「勝った者が正義になるという事を、胸に刻め!」

 

0:42

ギャルセゾンに乗るメッサ―

 

0:42~0:46

薄暗い中、砂漠の上での戦闘。ビームライフルを撃つグスタフ・カールが2機。Ξガンダムも撃ち返す。
なんでまたΞガンダムは地面スレスレで飛行しているのか。
ハサウェイ「誰かがやらなければならないことさ」

 

0:46~0:49

プールで仰向けで泳ぐギギ
ギギ「じゃあ、あなたが神になればいい」
このセリフは前作でも登場した。前作の方はホテルの部屋のプールサイドにてハサウェイに対して言ったもの。その時は有無を言わさないような勢いのある口調だったが、今作は落ち着きがあり諭すような声音である。本作でも発言する機会があるのか、それとも、ハサウェイの回想か。

 

0:50
ハサウェイの目元

 

0:50~1:00
タイトル
ギギ「ハ・サ・ウェ・イ・ノ・ア」

ギギの心にも、ハサウェイのことは強く残っているのかもしれない。

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』本予告

youtu.be2025/12/18公開

 

0:02

ヴァリアント甲板、船員が双眼鏡で周囲を警戒

 

0:04

Ξガンダムに乗るハサウェイ。ミサイルが追ってきている。
ハサウェイ「分かっている。あれは僕のせいだ」

 

0:06~0:08

タラップで会話するハサウェイとケリア
ケリア「何があったの、ギギとか言う子と」

 

0:09

着替えるギギ

ベッドの上にはハサウェイがダバオの土産物店で購入したカラフルな置時計がある。

 

0:09~0:10

シャワーを浴びるハサウェイ
ハサウェイ「俺には、世直しのインパクトを与えるという大義があるはずだ。」

 

0:11~0:12

コテージらしき建物の中にいるギギ
見下ろす庭では、2人ほどが作業中。時計は8:20を示している。

 

0:13~0:14

戦闘するΞガンダム

 

0:15~0:16

化粧をするギギ

 

0:17~0:22

シャワーに浴びながらうなだれるハサウェイ

ハサウェイ「どうかして、この肉体と感情的な欲望から離脱しないと…」

おい、大丈夫か⁈

 

0:22~0:25

車内のギギ
ギギ「ハサウェイの住所教えて」

 

0:29~0:30

夜のベッド。ハサウェイと誰?
ケリア「戻ってくる保証は無い作戦なんだ」
そんな作戦を実行していいのか?

 

0:32

ガウマン「行ったぜ、ハサウェイ!」
ガウマンの顔の傷が治っていないから、前作後すぐの作戦か?エメラルダが言っていた「オエンベリの偵察」?

 

0:35

悔しがるレーン・エイム

 

0:35

メイス・フラゥワー

あなた、登場機会あるの!着てる服がハウンゼンの制服とは違うから、回想ではなさそう。

 

0:37

車内のケネス
ケネス「肉体を持ち、感情を持って、解脱出来ないつまらない人間」
ギギ「マフティーも?」
ケネスのことは、自分のこと言っているのか、それとも、ハサウェイか。

ギギの返答から考えると、自分のことっぽいが。

 

0:40~0:42

ハサウェイ「僕は!」「僕は!」
ギギ「ハサウェイ!」
林の中を走るハサウェイ
どうして陸地をダッシュすることになったんだ?
レイモンド「死ぬんじゃあ、ねぇぞ!」
夜の砂漠?マクシミリアンと屈強な軍人みたいな男がいる。
何かの機内にいるケネス
レーン「ガンダムもどきめ!」
いや、最新式のΞガンダムなのでは?

 

0:48~0:50

ハサウェイ「乗り越えて見せる、世俗も肉欲も!」

ケリアの手紙「You should take some medisine. 」 

和訳「あなたは薬を飲むべき」

そんなにハサウェイの精神状態は追い込まれているのか?

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』TV SPOT

youtu.be2026/1/14公開

 

0:01

ハサウェイ「正面切った戦闘になるぞ」
ガウマン、ゴルフ、シベット「了解」
場所は砂漠で、時間は夜。

 

0:02~0:05

海面から浮上するΞガンダム

 

0:06

イラム「俺一人でも最後まで行くよ」

それは、どういう意味?

 

0:12~0:15

νガンダムが頭部のバルカン砲を連射している。

ハサウェイの記憶にあるアムロの姿?

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』公開直前記念スペシャルPV

youtu.be2026/1/16

 

0:01~0:07
煙の中歩くカール・グスタフ

銃を手にする兵士が被っている帽子が、本予告の0:40ごろに登場した軍人ぽい人が被る帽子と同じでは?これがオエンベリの軍隊か?

 

0:15

ケリア「ギギって子、クェスを消してしまうかもしれない」

ニュータイプに魅かれるのが、ハサウェイの運命なのか。

 

0:17

ギギが建物に入る。香港の家?

 

0:18~0:20

ケネス「スパイやってんのか?」
ペディキュアを塗るギギ
ギギ「誰のために?」
ケネス「ハサウェイだろ」

 

0:21~0:24

ギギ「大丈夫だよね」

 

0:25~0:30

やはり砂漠の上で戦っていた。
15発ほどのミサイルに負われるΞガンダム。明らかに劣勢ぽいが。

 

0:30~0:36

ハサウェイ「ああいう事態が起こるまで、想像も出来ていなかったのが悔しいんだ」
ガウマン「青すぎないか?」
ショッピングモールみたいな場所にいるぞ。MSはどうしたの?

 

0:42

船に乗るギギ

香港の家に向かっていそう。

 

0:47

ギャルセゾン3機から、6機のメッサ―が飛び降りる

 

1:00

ハサウェイ「これは自分の中のギギの扱いをどうするかだけの問題なんだ」
ハサウェイの中にいる、クェスとギギの2人の女性。

 

 

 


その他

 マフティーの目的はアデレード会議襲撃」らしい。アデレードオーストラリア大陸南東の都市だが、前作までハサウェイたちがいたのはオーストラリア大陸の北、東南アジア付近である。これからアデレード会議を襲撃するに当たって、どのように作戦を展開するのか。大陸を陸路で南下するのか、それとも、東か西のどちらかから大陸を回って向かうのか。

 

 

 公式HPにブライト・ノアとミライ・ノアHPが追加された。また、公式Xでも、ブライトとミライが対面している場面が投稿されている。

 ブライトとミライが対面で会うのを見るのは、ファーストガンダム以来だと思うのだが。『Z』でも『ZZ』でも、『逆襲のシャア』でも離れ離れだったからなぁ。なのに、息子がこんなことになってしまって…個人的に、表の主人公がアムロならば、裏の主人公はブライトだと思う。ハリーポッターで言うと、ハリーとスネイプ先生みたいな関係。
 ちなみに、ブライト・ノアはU.C.0087が舞台の『Z』で既に大佐だった。U.C.0060生まれなので、遅くとも27歳で大佐だ(昇進はもっと早かったかもしれない)。『銀河英雄伝説』の「不敗の魔術師」ことヤン・ウェンリーの大佐昇進も25~28歳頃なので、両者恐ろしいほど早い昇進スピードだと言えるだろう。

 

 

 

おわりに

 予告映像だけで物語を予想するなんて正直不可能なのは分かっているけど、楽しみだからやりたかったというわけです。
 以上の映像から、大まかな場面予想を以下に箇条書きで書いておきます。

  • 戦闘シーンは2つほどだろう。昼間の海上と、夜間の都市部と砂漠での戦闘。おそらく後者がメインの戦闘だと思う。
  • ハサウェイはヴァリアントの船内とΞガンダムのコックピットにいる場面が多い。主にその2つで登場すると思うが、気になるのは林の中をダッシュしていたカット(本予告0:42)。明らかにピンチな気がする。
  • ギギのメインの服は2つ。白のブラウスに金のネックレスをしたものと、濃いピンクのもの。前者が香港の別邸へ旅立つ時の服っぽいが、そうなると後者はいつ着た服だろうか。その服でケネスと会っているし(予告0:22)、「ハサウェイ!」と叫んでもいる(本予告0:41)。香港に一度旅立った後に、再度ダバオに戻ってきたのかもしれない。それに対してケネスの「スパイやってんのか?」(オープニングテーマ0:18)が繋がる?キャラクター紹介で「アデレード会議開催場所の情報をマフティーに流す」とあるし。
  • ケネスはもう完全に「ハサウェイ=マフティー」であると気づいているのだろう。知ったうえで、ギギとはどう接するのだろうか。

 

 もう映画の公開が金曜日に迫ってきました。もっと情報を得ようと思えば出来そうですが、正直もう疲れてしまったのでここらへんで止めようと思います。
 公開がとっても楽しみです!

「チェンソーマン レゼ篇」 を観た話

こんにちは、ノボルです。

 

 

つい先日、映画「チェンソーマン レゼ篇」を観てきました。

chainsawman.dog

そのことについて、適当に書いていこうと思います。

ネタバレがあるので、まだ観ていない人は注意です。

 

 

かくいう私は流行に疎いです。「鬼滅の刃」も未だ観たことがないし、「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」もついこの前の夏休みに初めて観ました。最近で流行りに乗ったものといえば、「成瀬は天下を取りに行く」の文庫版を読んだことぐらいでしょうか。それも単行本が出てから2年たってるわけで、流行りに乗れてるのかは微妙。

以前から「もったいないよな~」と思いつつも行動に移してこなかったのですが、ついに流行りの映画を観に行ってきたというわけです。

当然のようにアニメは観ていなかったので、前日に総集編を観てから行きました。(アニメは2022年10月に放送されていたことにびっくり。3年前!!!)

 

 

 

 

 

 

ここからネタバレあり。

久しぶりの映画鑑賞ということもあって、とっても面白かったです。

前半はデンジとレゼのいちゃつきばかりで「恋愛アニメか?」と思いましたが、その分を後半は闘いまくってましたね。

夜の学校のプールで遊ぶシーンで、蜘蛛に捕まる蝶が映されていました。はじめは、「レゼ(蜘蛛)の誘惑に捕まるデンジ(蝶)」と思っていました。ですが、戦闘のラストで「デンジ(蜘蛛)のチェンソーに捕まるレゼ(蝶)」という対比となっていて、やるなぁ~と思いました。

アニメの最終回あたりでちょっとだけ出てきたビームが、あんなに活躍するなんて。その分パワーが全く登場しませんでしたが。

どうしてチェンソーマンの心臓が狙われるんですかね?チェンソーの悪魔って、そんなに強いんですか?レゼの方が強そうですけどね。そして、やはり強いマキマ。一体何の悪魔を従えているんでしょうか。

 

 

というわけで、楽しんできたのですが、ここで浮上するのは「原作を読むのか」問題。アニメは1~5巻、今回の映画も6巻あたりみたいですね。普通に続きが気になるのですが...アニメを待ってたら、観れるのはずっと先になりそうですよね。

しかも、部室に12巻と13巻が置いてあります。12巻の帯には「待望の第二部スタート!!」と書かれていて、ペラペラとめくって読んでみると、学園モノみたいになってますが...

一体、デンジやマキマはどうなってしまったんでしょうか!!

気になりますね。どうにかして、続きを読みたいものです。

 

 

読んでいただき、ありがとうございました。

最近見たもの

こんにちは。よよよです。

最近みたもの、読んだもののの簡単なレビューです。

児玉まりあ文学集成4

トーチweb 児玉まりあ文学集成

四年ぶりに最新刊が出た本作は文学少女の児玉さんが本作の主人公である笛田くんに文学にまつわる色々を教えるお話。毎話「比喩」「記号」「翻訳」といった文学的なテーマが設定され、それらについて児玉さんと笛田くんが話したりします。

緩い絵柄で展開される本作は内容もかなり緩いのですが、テーマによっては難解なものもあり、ぐるぐると会話文を追っているうちに結局どんな話だったのか煙に巻かれるような回もあって、独特な読後感が面白いです。

児玉さんと笛田くんは健全な学生の男女であるため、本作にも恋愛要素は存在しており、本作をラブコメとして読むこともできます。ただ、児玉さんと笛田くんの恋愛模様は極めて文学的であり、普遍的でありながらも、一般的な学園ラブコメとは少し違った印象も受けます。

全体を通して本作は、ラブコメのようであり、ただ言葉遊びをしているだけのようでもあり、人間の世界を構成する「言葉」についての重要な話のようにも感じられる、不思議な漫画です。

上のURLから一部読めるようなのでぜひ読んでみてください。おすすめです。

その着せ替え人形は恋をする Season 2

現在アニメの二期が放送中の本作ですが、このレビューはアニメと漫画両方見た上でのレビューです。

あらすじとしては、ギャルでオタクの女子高生喜多川海夢が実家がひな人形工房のクラスメイト五条くんにコスプレ衣装を作ってもらうというお話。

本作はラブコメとしての側面が大きく、特に序盤はサービスシーンも多いため、ちょっとエッチなラブコメ漫画という印象が序盤では大きいと思います。(かくいう私もそんなエッチなシーン目当てで本作を見始めました(笑))

アニメ二期の範囲からはキャラクター造形や人間関係の広がりに伴い、本作の新しい側面が色々と見え始めます。コスプレを軸としたオタク趣味についてのお話や、創作全般に通じるお話など、五条くんと喜多川海夢の恋愛模様だけに留まらないのが本作の魅力の一つだと思います。

現在放送中のアニメ2期もですが、原作も最近完結したのでぜひ目を通してみてください。

 

瑠璃の宝石

こちらも現在放送中のアニメですね。おにまいとおなじ制作会社なので見始めました。

あらすじとしては本作の主人公である女子高生瑠璃ちゃんが鉱物系の大学院生凪さんと一緒に宝石さがしに行く、といったお話。

インターネットでは凪さんの乳とケツがでかすぎる!と度々話題になっていますね。僕もそう思います。話に集中できない!!

それはそれとして、本作は系統としてはゆるキャンとかヤマノススメとかになるんですかね、美少女日常アウトドア物でちょっと(結構)勉強になるといった感じです。

自分は中高で軽く地学に触れただけだったので、本作で触れられる地学、鉱物の知識はなじみがなく、新鮮でおもしろく感じました。登山、ハイキングをするときなんか地学や鉱物の知識があればもっと面白いんだろうなぁとしみじみ思ったり。

あと、凪さんはすぐに論文を出していてすごいと思いました。

 

機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 

そういえば二月にもレビューしていましたね。最終話が6月だったっぽいのでもう3か月前ですね。記憶もあいまいですがせっかくなので何か簡単に書きます。

めちゃくちゃネタバレするでネタバレ注意です!

 

 

 

11話で逆シャアのテーマソングが流れたのが一番印象に残っています。当時リアタイで見ていたので、あと一話で一体どうなるんだ!と、とてもわくわくしたのですが、ふたを開ければ逆シャア要素は特になく、ぬるっと終わりましたね。

キャラクターだとニャアンが一番好きですね。はじめは引っ込み思案っぽいキャラだったのが終盤から少しづつ印象が変わっていって、最終盤でのマチュとのMS戦闘も印象に残っています。

ジークアクスはいい意味でも悪い意味でもリアタイで見てよかったというアニメだと思います。放送後にツイッターで感想やら考察を見るのも楽しかったですし。逆に全話まとめて視聴したらどんなふうに感じるのか気になりますね。

独占配信や全話一挙配信ではあそこまでの盛り上がりにはならなかったと思います。やはり独占配信は悪ですね!!!

国宝

今話題の映画ですね。ちょっと前に見に行きました。3時間とかなり長いですがそれを感じさせないほど面白かったです。

まだ見ていない人は早く見たほうがいいと思います。(そんな映画を見るほうではありませんが、)最近映画館で見た映画の中で一番面白かったと言えるくらいには面白かったです。

詳しいあらすじとか感想は他にあたってください。

原作小説もあるみたいなのでいつか読んでみたいですね。

 

以上です。疲れたので後半駆け足になってしまいましたね。またどこかで。

 

『魔法少女ノ魔女裁判』の雑感

こんにちは、山代七実です。

長期休暇で暇を持て余しているため、『魔法少女魔女裁判』という神ゲーについて雑感を書きます。以下ネタバレが有るかもしれないので注意してください。

store.steampowered.com

魔女因子を持つと判定された少女たちは、牢屋敷に閉じ込められる。
魔女因子が暴走すると殺人衝動が芽生え、やがて実際に事件が起きてしまう。
事件が起これば魔女裁判が開かれ、誰が魔女なのかを突き止めねばならない。

 

というのがざっくりとしたあらすじです。ジャンルは「魔法議論ミステリーADV」となっており、ゲームシステムは某ダンガン□ンパをイメージしていただけるとわかりやすいです。

本作は発売前からTwitterで話題になっており(自分のTLだけかも)、期待値が高すぎて実際発売されたら期待との落差で失望されて荒らされるんじゃないかと勝手に杞憂していましたが、いざやってみると、そのハードルをやすやすと超えてしまうほどの素晴らしい作品でした。

魔法少女魔女裁判』のタイトル通り、殺人を犯した魔女を推理する裁判が物語の主軸となっています。魔法少女が魔女化するという設定は某まどか□マギカを連想させ、裁判形式のミステリーは某ダンガン□ンパを彷彿とさせますが、それらの要素を上手く融合させつつも、中身は全くの別物で、とても新鮮に楽しむことができました。私はダンガン□ンパ大好き人間なので、似た味を期待しながらプレイしましたが、いい意味で大きく期待を裏切られました。実際にプレイするなら、某作品との比較は忘れて、この作品と純粋に向き合った方がより楽しめると思います。

この作品の魅力はゴスロリ風?の美少女キャラクターのデザインと、魔法などの細やかなキャラ造形や世界観の作りこみ、それらの設定を上手く活かした作品作りにあると思います。少女たちは魔女因子を持っているため、それぞれ特有の魔法が使えるわけですが、それがうまい具合にストーリーに絡んできます。(これはネタバレかもしれない)基本的に女の子キャラクターしか登場しないため、彼女らの交流を楽しめるのもよいところです。

ネタバレになるため詳しく語れない魅力も多いですが、ノベルゲーやADV好きの方、あるいは紳士諸氏も楽しめる良い作品だと思います。かなりボリュームがある作品のため、腰を据えてじっくり遊ぶことをお勧めします。 

 

タイトル   : 魔法少女魔女裁判
対応機種   : PC(Steam配信)Nintendo Switch
ジャンル   : 魔法議論ミステリーADV
対応OS   : Windows / Mac両対応
プレイ人数  : 1名
発売日    : 2025年 7月18日 発売(Steam ver)
         Switch ver 後日公開予定
価格     : Steam 3,500円(税込)

最近見たアニメ

こんにちは。よよよです。

本日2月16日は4年生の追い出し会があるのですがそれまで暇なのでブログを書くことにしました。ブログを書くのは初めてなので文章の乱れ等についてはご容赦を。

最近ブログの更新が少ないのではないかと部内で話が上がっていたのでちょうどいいですね。

内容としましては、僕が最近見たアニメについてです。かなりテキトーな内容になると思うのであんまり期待しないで読んでください。ネタバレ等まったく考慮しないので読む際は気を付けてください。

 

 

機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 

機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 公式サイト

最近なにかと話題になっているガンダムの映画です。

僕は本作品の監督である鶴巻監督の作品が好きなのでかなり期待しながら見に行きました。

トップ2のように作品終盤で宇宙世紀とのつながりが描写されるオチかなぁなんて思いながら見に行ったので、開始数十秒でどこか聞き覚えのある効果音が流れてかなり驚きました。

前半パートはファーストのifものって感じでしたね。自分はファーストのアニメ版を視聴しているのでとくにひっかかることもなく(シャリア・ブルなんてやついたっけとはなりましたがw)ifものとして楽しめました。ファースト見たことない人が見て面白い内容なのか?と思いましたが、一緒に見に行ったファースト見たことない奴曰く面白かったらしいです。

後半になって出てくるキャラクターのキャラデザがガラッと変わったのは少し面白かったですね。変わったのはキャラデザだけじゃなくて雰囲気とかもですね。この辺はかなり意識的に書いているんだろうなぁと感じました。

個人的に面白く感じたのはコロニーでの日常描写ですね。画面がごちゃごちゃしていてよかったです。住民がわりとみんなイキイキしていたので、ファーストの本来の続編であるzガンダムよりも政府が腐ってないのかなぁなんて考えました。非合法なガンダムファイトが流行っているくらいだし。

絵は流石といった感じでずっときれいでしたね。キャラクターは可愛いしロボットはかっこよかった。

 

鶴巻監督の「フリクリ」、わりとめちゃくちゃなんですけど、しっかりするところはしっかりしっとりしているところが個人的には好きなのでガンダムもそんな感じで頑張ってほしいですね。

4月から放送が始まるんですかね?かなり楽しみです。

 

干物妹!うまるちゃん(1期2期)

研究室やら就活やらで何かと疲れていたので癒しを求めて見始めました。中学生のころに1期は視聴していたのですが2期は見ていなかったので1から見直しました。

うまるちゃん。可愛いですよね。皆さんはうまるちゃんを視聴するとき誰の目線になって視聴しますか?うまるちゃんですか?お兄ちゃんですか?

僕はお兄ちゃん目線になって視聴していました。お兄ちゃん目線でうまるちゃんを視聴するときに、うまるちゃんの可愛さ、面白さがどこから来るものなのか皆さんはわかりますか?

僕の考えとしましては「甘え」です。うまるちゃんが家でぐーたらしてお兄ちゃんに"だけ"甘えてくる、ここがうまるちゃんの面白さなのかなと。甘えとは安心と信頼の証ですから、兄妹という関係性で描写するのが最適なのかもしれませんね。

何話かは忘れましたがお兄ちゃんがうまるちゃんのフィギュアの箱を捨ててしまった会などは特にいいですね。

2期になってうまるちゃんに友達と常識ができ始めた辺りからこの類の良さが薄れてしまったのが個人的には残念でした。おにまいを見たときにも思ったのですが、兄妹もののアニメは物語が進み、友達が増え始めると兄妹での絡みが減ってしまうのが少し悲しいですね。まあ物語としていつまでも兄妹に依存しているのは良くないんでしょうけれども。

 

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(1期2期)

妹ものということで前々から気になっていたのでいたので視聴しました。今度パチンコ出るらしいですね。べ、別にパチンコが出るから見たわけじゃないんだからねっ

ラノベのラブコメということでかなり油断していたのですが、見る前に思っていた20倍くらい面白かったです。

大枠のあらすじに若干の適当さは感じますが、キャラクターの心理描写が素晴らしかったです。

この作品もうまるちゃんと同じですね。わがままな妹のためにお兄ちゃんが頑張る話。そこに一さじ(どころではない)恋愛要素。

細かく話したらキリがないのであですが、やっぱりアニメ2期からがかなり面白かったです。兄弟で互いに意識しているのに好意を口にすることはできなくて、それでも気になって文句を言わずにはいられない、みたいなね。やっぱり許されない恋ってやつは面白いんですかね。知りませんけど。

お兄ちゃんが黒猫を振ってからの勢いはすごいですね。ものすごい勢いで女の子を何人も振って妹に好意を伝えて。最近ハーレムもののアニメを視聴することが多かっただけに、痺れました。

それだけに最後の終わり方は正直拍子抜けでした。あんな何人もの女の子を振っておいて結局もとの兄妹に戻るだけなの?じゃあ他の子と付き合ったままでもよかったんじゃないのって。1話で父親と言い争ったように、兄妹で付き合うことを両親に説得するか、しないにしても何らかの解決策を提示してくれるのではないかと期待したんですが、なんであんな終わり方になったんでしょうね。

レズだのゲイだの多様性だの言われているこの時代に出ていたらもっと違った終わり方を迎えられたのかもなぁとも思いました。(少なくともオタクに対する偏見は今時ほぼ聞きませんしね。)

まあ終わり方はともかく総合的にはかなり面白かったのでオススメです。パチンコも楽しみですね。

 

メダリスト(6話まで)

今やっているアニメですね。いろんな人から勧められたので見始めました。原作は読んでいないので完全初見です。6話まで視聴した感想になります。

内容としてはスポコンアニメってことになるんですかね。

スケートならではのシビアな点(才能とか始める年齢とかお金とか)がこれでもかと描かれているのが面白いですね。ただ、それにつられて雰囲気まで暗くなってしまうことはなく、登場人物たちの明るさと純粋なスケートへの思いででそれを感じさせないバランスがすごいですね。とくに司先生、性格が良すぎる。

名古屋大学生としては舞台が名古屋なのがちょっとうれしいですね。

ここから先も楽しみなアニメです。アニメ終わったら漫画も買うかも。

2024年 面白かった本BEST20

 お久しぶりです。OBの肇です。

先日の名大SF研40周年記念パーティーではありがとうございました。

 

昨年の3月でサークルを去った後、後輩のロコロト君がブログを2回更新してくれました。が、以降はなかなかブログが更新されていません。そこでOBという立場ではありますが年1くらいなら出しゃばってもいいだろうと思って、一つ記事を書こうと思ったわけです。

僕が2024年に読んだ小説は63冊(1冊再読なので新規では62冊)でした。といっても読んだ本の内容を細かく覚えているわけではないので、どこがどう面白かったかを長々と語ることはできないのですが。それでも、読んで「面白かったな」と感じた作品上位20冊を発表したいと思います。古今東西ごちゃ混ぜですがこんな感じになりました。

 

第20位 渚にて(ネヴィル・シュート):静かに近づく終末がうまく描写されている

第19位 すべてがFになる森博嗣):森博嗣は実は初めて。大学の先輩なのにね

第18位 地図と拳(小川哲):小川哲は歴史モノ書いた方がいいよ絶対

第17位 タイタン(野崎まど):『HELLO WORLD』以上『know』以下といった感じ

第16位 歌う船(アン・マキャフリー):評判通りの良作

第15位 シブヤで目覚めて(アンナ・ツィマ):外国人の書く「東京」としては過去一

第14位 喪服の似合う少女(陸秋槎):こういうのも書けるんだね。オチは以下略

第13位 未来省(キム・スタンリー・ロビンスン):気温上昇は怖いねぇ

第12位 波の音が消えるまで(沢木耕太郎):レビュー有

第11位 スチーム・ガール(エリザベス・ベア):スチームパンク大好き

第10位 777(伊坂幸太郎):伊坂はこうでなくっちゃ

第9位 不夜島(荻堂顕):快作。旅行先の香川で読み終わった

第8位 紅雀吉屋信子):レビュー有

第7位 シャーロック・ホームズの凱旋(森見登美彦):早く有頂天家族完結させて

第6位 戦闘妖精・雪風〈改〉神林長平):雪風という女の子の話だと思ってました

第5位 トム・ハザードの止まらない時間(マット・ヘイグ):レビュー有

第4位 コズミック(清涼院流水):若干期待しすぎた感はあるけどそれでも面白かった

第3位 都市と星(アーサー・C・クラーク):やっぱりクラークは安定

第2位 火星ダーク・バラード (上田早夕里):休日に5時間くらいで読みきった

第1位 みずは無間(六冬和生):序盤は微妙だが話が進むにつれての勢いが素晴らしい

 

5位、8位、12位のレビューは過去にブログで書いてるのでそちらもどうぞ。

トム・ハザードの止まらない時間(マット・ヘイグ) - 名大SF研記録ブログ

紅雀(吉屋信子) - 名大SF研記録ブログ

波の音が消えるまで(沢木耕太郎) - 名大SF研記録ブログ

 

ちなみに読む小説は本屋や図書館に行って、気になった表紙とかタイトルで適当に決めてます。あらすじは基本読まない派。

今年は年間70冊を目標にしていますが、年初からとんでもなく素晴らしい小説に出会ってしまったので、この大傑作を超える小説が今年中に現れるかどうかも楽しみにしています。

 

余談:以前からこのブログでもおすすめしていた最強漫画『メダリスト』が、現在TVアニメ絶賛放送中ですので皆さん是非!!!!!!!!!(肇)

 

『黒死館殺人事件』を読んだ話

 この『黒死館殺人事件』のレビューは当初、PIT『クローズドサークル』に収録される予定であった。しかし悲しいことに、三週間もかけてヒイヒイ言いながら読んだにも関わらず、『黒死館殺人事件』はまったくクローズドサークル要素がなかったのだ。そんなわけで、(無理矢理掲載してクローズドサークルガチ勢に刺されるのも怖かったので)このブログにて原稿を供養させていただく。

 

 私が今回読んだのは、角川文庫の文ストコラボカバーの『黒死館殺人事件・完全犯罪』であった。前半の『完全犯罪』はしっかりとトリックや推理の組み上がった話であり、普通に面白いミステリーだった。そこですっかり油断した私を、混沌の極みたる『黒死館殺人事件』が待ち構えていたのだった。


 三大希書の中でも、特に読みにくいとの事前情報を聞き、私はおっかなびっくりこの本を読み始めた。だが、読み始めてみると想像とは違い、しっかりと内容を捉えて、一歩一歩進むように、ゆっくりとではあるが読み進めることができる。むしろ、ミステリーという形式に沿っている分、戦前に書かれた日本文学作品の中では読みやすいと感じた。
 ただし、事前に聞いた情報が間違っているというわけではない。この本の文書には圧倒的な情報の「質量」が感じられる。「臼杵那蘇会神学林」に始まり作品内には、宗教、神話、歴史、呪術、占星術に関する用語が頻出する。私は早々に全ての意味を拾い切ることを放棄してしまったが、仮に一つ一つ言葉の意味や引用元、時代背景を調べていたら、この本を読み切るために、何年もの時間が必要だっただろう。逆にそれこそが、この本に熱狂的なファンのいる所以ともいえる。
 ここまでが、一章を読んだ時点での私の感想である。奇怪な自殺をした元当主、算哲の残した事件を予言するような絵。犯人の残した「水精(ウンディヌス)」の文字と、それに準えた水を使ったトリック。独りでに徘徊するテレーズ人形の謎。等々、この時点の私は、最初の事件がもたらした謎と、これから起こるであろう第二、第三の事件の予感に、心躍らせていた。この後に待ち受ける『黒死館殺人事件』の本領ともいえる難解さを知る由もなく。
 探偵である法水が事件の事情聴取を開始すると頻出するのが詩の引用である。事件の状況説明の際、比喩として詩の引用が出てくるため、すんなりと状況を理解することができない。そのうえ、法水は犯人推測のために心理実験を利用し、詩の引用に対し容疑者がどんな反応をするかを調べていくのだが、ここで詩の知識がないと、そのやり取りによって法水がどんな情報を得たのか、どうして登場人物の心情に変化が現れたのかが、はっきりとは分からず、物語の展開に置いてかれることとなる。
 さらに、推理がある程度当たっていれば、推理の詳細がわからなくても、ある程度話の流れを掴めるのだが、法水の推理がかなりの確率で外れるせいで、まるで煙に巻かれているような気分になる。
 結局、この本の感想を総括すると、先駆者達の例に漏れず私もまた、読みづらいというのが最終的な感想であった。登場する用語を隅々まで調べ、この本の全てを理解する猛者は存在するのだろうか……。

ロコロト

西尾維新VS飛行機

 皆さんはじめましてロコロトと申します(pitを買ってくださったる方は、またお前かとなるかもですが)。半年近く放置状態になっていたこのブログですが、今回コミケに向けた新作pitクローズドサークル』ができた直後、書きたいネタができたので投下します。西尾維新の話しかしてませんが、興味があれば目を通していってくれると嬉しいです。それでは本文始まります。

 

 『オリエント急行殺人事件』に代表されるように、動き出せば出入りができないという性質上、乗り物の中で起こる事件はクローズドサークルであることが多い。陸であれば電車、海上なら船、中には潜水艦や宇宙船を舞台にした奇抜なものもあるかもしれない。そしてやはり、空飛ぶクローズドサークルの舞台と言えば飛行機だろう。

 私が今回、レビューを書いた『ヒトクイマジカル』には二つのボツバージョンが存在することが、『ザレゴトディクショナル』にて語られている。そのボツ案の一つ目の舞台が飛行機であった。その内容をざっくり言ってしまえば、組織の重鎮集めて飛行機内で会議してたら、「殺し屋」匂宮出夢が侵入して大騒ぎになるみたいな話。個人的に面白いと思ったのは、その内容よりもボツになった理由である。曰く、「飛行機墜落」のシーンを書きたかったのに、飛行機を中の人間が無事にすむ形で墜落させる方法が思いつかなかったから。よほど頑張らないと飛行機は故障しないし、エンジンが片方ぶっ壊れても飛び続けるらしい。

 そんなわけで、勝手に西尾維新と飛行機の因縁を決めつけ、彼の著書の中から、飛行機で事件が起こる話をざっと拾ってみました。

 

ヒトクイマジカル』2003年7月5日発行

 詳しくは名大SFpit.vol31クローズドサークル」にて。個人的に『戯言シリーズ』の中で特に作者の個性みたいなものが強いと思っている。キャラの癖の強さとか、雑談パートの長さとか、事件の奇抜さとか。不死身の少女、円朽葉に関連して2千字ほど書き散らしてボツにした文章があるので、機会があればブログにあげるかもしれない。飛行機に関しては、ボツになった段階で、キレイさっぱりなくなってしまい、欠片も出てこない。

 

きみとぼくが壊した世界』2008年7月7日発行

きみとぼくが壊した世界 西尾 維新(著/文) - 講談社

 『世界シリーズ』3作目。この小説の探偵役である病院坂黒猫と、その友人櫃内様刻は、推理作家ガードル・ライアスの書いた、読み終えた人間は必ず死ぬと言われている、呪いの小説を調査するためロンドンに行くこととなる。ロンドン行きの飛行機が離陸ししばらくした後、様刻は自身の隣、窓側の席に座っている男が死亡しているのを発見する。

 乗り物で自身の隣の人が殺されるという展開は、簡単な作りでありながら、自身に気づかれずに犯行を行うことが困難であるという点から、密室に近い性質を持っている。『掟上今日子の乗車券』でも、厄介の乗る高速バスの隣の乗客が殺されるという事件が起こる。二つともよく似た事件であるが、トリックは全然別物となっているため、ぜひ読み比べて欲しい。

 

零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係』2010年3月25日発行

零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係 西尾 維新(著/文) - 講談社

 飛行機は出てこないが、人識と伊織との会話にて、人識は昔、墜落中の飛行機から脱出する経験をしたことがあると語る。因みに墜落の原因は、出夢がエンジンを壊したため。元はいーちゃんが巻き込まれる予定だった『ヒトクイマジカル』のボツ案を人識が回収している。これがジェイルオルタナティブか。

 

『悲亡伝』2015年11月24日発行

悲亡伝 西尾 維新(著/文) - 講談社

 感情を持たない主人公、空々空が人類殲滅を企む「地球」と戦う『伝説シリーズ』。『悲亡伝』では、裏切り者を探すため、空々空率いる空挺部隊は世界各地の対地球組織へ調査へ向かう。アメリカの対地球組織「USAS」へ向かうこととなった空々空と「風使い」の魔法少女虎杖浜なのか、しかし二人のアメリカ行きを妨害しようとする勢力により、飛行機はハイジャックされてしまう。

 そこで空々空は、飛行機に乗っている乗務員、乗客、ハイジャック犯全員を制圧し、虎杖浜の「風」の魔法で飛行機を飛ばし、アメリカに向かうという大胆な手段をとる。ついに西尾維新悲願の派手な飛行機墜落シーンが出る……ことは無く、全員無事でアメリカに到着。虎杖浜は天才だから仕方ない。

 『悲亡伝』のみ書影が文庫版なのは、飛行機が苦手な虎杖浜が可愛かったので。前章からのキャラの振れ幅が、『続・終物語』の老倉を彷彿させる。

掟上今日子の乗車券』2018年10月3日発行

掟上今日子の乗車券 西尾 維新(著/文) - 講談社

 今日子さんのわがままにより、水上飛行機に乗ることとなった社員兼ボディーガードの親切守。しかし、湖畔の乗り場に行ってみると「本日運休」の看板が。事情を聞くと、社長が乗る飛行機が墜落した、だが死因は服毒で遺書もあると言う。事件なら、空飛ぶ密室とも言えるコックピットでどうやって犯行が行われたのか。自殺ならなぜ飛行機の中で行う必要があったのか。忘却探偵は事件解決に乗り出す。水上飛行機に乗りたいがために。

 墜落はしたが、検死がきっちり行われているのを見るに、パイロットの意識が無くなった後水上に落ち、機体に大きな損傷は無しといったところか。『ヒトクイマジカル』のボツ案は「ただの不時着ではつまらないし……」と言われているのを見るに、西尾維新もこの程度の墜落ではもの足りないだろう。

 

『死物語(下)』2021年8月17日発行

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 臥煙伊豆湖の依頼により、千石撫子斧乃木余接貝木泥舟の三人は西表島に向かうことになった。しかし、三人が乗っている飛行機が巨大な蛇に襲われ墜落、千石は一人、無人島に流れ着いた。

 こうして18年の時を経て、ついに西尾維新は飛行機を墜落させることに成功したのだった。どうやって千石が無事で済んだのか、残る二人の安否、千石がどうやってサバイバル生活するか等、気になる方は実際に読んで確かめて欲しい。多分、現在放送中の『物語シリーズ オフ&モンスターシーズン』を見ても、話が繋がらないので注意。

 

掟上今日子忍法帖』2022年6月6日発行

掟上今日子の忍法帖 西尾 維新(著/文) - 講談社

 飛行機で事件に巻き込まれるのは、もはや冤罪がお馴染みとなった隠館厄介。アメリカへ拠点を移した今日子さんを追いかけ飛行機に乗ったところ、ハイジャックの容疑をかけられ、入国と同時に逮捕。「冤罪王」の異名をつけられ、希代の大犯罪者扱いされた厄介は、専用に建設された刑務所に収監されることに。

 今回、厄介は本編に絡まないから、西尾維新はやりたい放題である。『掟上今日子の旅行記』では何事もなくフランスに行けたのに、6年間で厄介の成長を感じる。2024年現在、『忘却探偵シリーズ』の新作が出ていないため、彼はまだアメリカの刑務所から出られていないのだろう。

 

『暗号学園のいろは6』2024年3月4日発行

暗号学園のいろは 6 岩崎 優次(著/文) - 集英社

 事件の起こる他の作品と違い、この作品で大統領専用機を舞台に行われるのは暗号バトル。硬貨をコマの代わりに使うリヴァーシである。儚石楠花のイカサマにより、ピンチになる要塞村鹵獲。逆転のために彼女は意外な一手に出る。

 お金を使ってゲームをやる話は、『りぽぐら!』でも出ていた。私が『暗号学園のいろは』を読んで感じた既視感を纏めてレビューが書けそうなので、これも機会があれば。

 

あとがき

 その膨大な著書故に、西尾維新の小説を読んでいると、度々「前にも似たようなことがあったような」と思うことがある。今回は飛行機に注目してこのブログを書かせてもらったが、他にも適当なテーマを決めて、読んでみると面白いかもしれない。

 それはそうと、まだ数冊読めていない西尾維新の著書がある+読んでから二年ほど経ってしまい忘れかけている本がある、という現状に若干焦りを感じています。一周目はシリーズ毎に読んだから、今度は発売順に読んでみるのもよさそうだが、如何せん時間が……。

(ロコロト)

 

書影はすべて

版元ドットコム - 探せる、使える、本の情報 (hanmoto.com)より

『暗号学園のいろは6』のみ集英社発行 原作:西尾維新 作画:岩崎優次

ほか7冊は講談社発行 著:西尾維新

 

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会について

 こんにちは。名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会です。
 名古屋大学に合格した皆さん、おめでとうございます。このブログでは、名古屋大学公認サークルである当サークルの活動について紹介します。

Q1. どんなサークル?
 SFやミステリ、幻想小説が好きな人が集まっているサークルです。本がメインですが、映画やアニメが好きな人もたくさんいます。
当サークルのOBには『ハサミ男』で有名な殊能将之さんなどがいます。

Q2. どんな活動をしている?
 例会と部誌発行が主な活動です。例会は週に一度おこなっています。例会では1~3か月かけて短編集を読み、感想を語り合います(比較的軽い感じなので敷居は高くないです)。最近の例会では『AIとSF』という短編集を皆で読んでいました。
 部誌発行は年3回ほどおこなっています。テーマを決めて、そのテーマに沿った作品のレビューを載せています。たまに部員の創作短編も載っています。部誌は名大祭やコミックマーケット文学フリマなどで販売しています。

Q3. 活動日は?
 現在の例会は毎週水曜日で、17:30から1時間くらいやってます。曜日は部員のスケジュールによって半年ごとに変わります。長期休暇中やテスト週間は例会はありません。

Q4. 会費は?
 会費は半年ごとに1,000円です。新しく入る部員は最初の半年は無料です。なお、例会で読む短編集は各自で購入することになっています(新しく入る部員の分の短編集は部費から払います)。

Q5. 人数は?
 例会は毎回10人くらいが参加しています。例会に参加せずに部誌へレビューを載せる人も結構います。部員の学部はさまざまで、文学部、経済学部、理学部、工学部、医学部など多様です。

Q6. 他大学のSF研との交流は?
 各地の即売会やイベントでたまに交流はあります。

Q7. 部室には何がある?
 大量の本とDVDと漫画が置いてあります。これらのほとんどは部員ならだれでも借りることができます。部室の場所は第一文化サークル棟の1階です(ちょっと分かりづらい場所にあります)。部室見学はいつでもできます。是非ご連絡ください。

Q8. 他大学の学生でも入れる?
 当サークルはインカレサークルなので、他大学の学生も大歓迎です。

Q9. 入りたいんだけど
 当サークルのメールアドレス(nagoya.u.sfa[at]gmail.com [at]を@に変換してください)やXのDM(@TaroSF)などからご連絡ください。4月初めに大学構内で地獄の細道というサークル紹介のイベントがあるので、そこで部員から直接話を聞くこともできます。他に聞きたいことや気になることがある方も、当サークルにご連絡ください。

トム・ハザードの止まらない時間(マット・ヘイグ)

トム・ハザードは約400年ぶりにロンドンへ還ってきた。歴史教師として。以前に彼がロンドンで暮らしていたのは16世紀末――彼は400年以上生きている「遅老症(アナジェリア)」なのだ。思い出のこの地で、トムはこれまでの人生を回顧する。生まれた地での魔女狩りシェイクスピアとの出会い、ペスト流行、太平洋航海、――そして遅老症の人々による謎の組織「アルバトロス・ソサエティ」への加入。この組織に加入させられてから、トムの状況は一変した。ある秘密の責務を負うこととなったのだ。自身の安全と、生き別れの娘マリオンに会う代償として……。悠久のごとく長い時間を生きる男の孤独と愛を描いた物語。

 新☆ハヤカワ・SF・シリーズは中国SFがきっかけでよく読むようになった。中国SFをあらかた制覇すると、『黒魚都市』『翡翠城市』『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』『とうもろこし倉の幽霊』『第六ポンプ』などの中国SF以外の作品もよく読むようになった。最近はあまり読んでなかったが、久しぶりに手に取ってみると分厚い二段組に懐かしさを感じた。
 
 奇妙な体質のため何百年も生きているトムは、各地を転々として人と深く関わらない生活を送ってきた。ロンドンで新たに歴史教師として働き始めたトムは、同僚のフランス語教師カミーユに段々と惹かれていく。
 また、トムは失踪した実の娘マリオンの行方も追っている。トムが若い頃(十六世紀!)に生涯ただ一度の結婚をして生まれた子で、トムと同じ遅老症だと分かり、ある日忽然と姿を消してしまった。以来、トムはアルバトロス・ソサイエティの力を借りてマリオンを探している。果たしてトムはマリオンに再会することができるのか、カミーユとの関係はどうなるのか、そしてアルバトロス・ソサイエティとは何なのか……。
 文章は読みやすく、合間に様々な時代・地域でのトムが描かれるので飽きることもない。劇的なシーンは少ないが、安定して面白く、長く生きた人ならではのトムの思考に考えさせられることもあった。今年読んだ本の中で今のところ一番面白い。(肇)