魍魎の匣（志水アキ）

魍魎の匣 1 (怪COMIC)

一時期前に流行った「魍魎の匣」のコミカライズを、なんとなく目についたという理由で買ってしまったのが半年ほど前。やはり後悔した。でも新巻が出てたのでこの前買った。既に持ってた。っていうか新巻じゃなかった。何をやっとるんじゃい私は。すごく残念。
本作は「コミック怪」なる怪しげな雑誌で現在も連載中。そろそろ完結する気がする。コミックスは4巻まで出ており、多分5巻で終結だろう。
基本的には小説の流れをそのままなぞっただけであるが、ご察しの通り民俗学的考察の部分は随分比重が軽くなっている。面白いかどうかは別として、というか面白くはないのだが、よく出来ているとは思う。登場人物もメインキャラの何人かは少々違和感があるのだが（まぁ、仕方のないことだろう）、サブキャラが妙にしっくりと来て上手いと思わせる。特に鳥口や青木の造形は好きだと言っても過言じゃない。
また絵の雰囲気などもなかなか良く再現されていると思う。買ってよかったかといえばそうでもないが、損をしたとは思わない作品。
ただ何が問題かって、この手のは一旦見てしまうと、キャラや建物などがそのイメージで固定されてしまうのが嫌である。自分の持っていたイメージを失ってしまった、そのことがなんとなく残念だ。（條電）