名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

天使の3P!(蒼山サグ)

天使の3P! (電撃文庫 あ 28-11)

天使の3P! (電撃文庫 あ 28-11)

 別名『天使のろり』。というか表紙をパッと見たときにそう読めるように編集さんがずいぶん頑張られた様子。なんというロリ根性。3Pとは書いてあるがもちろん小学生と3ピー(伏字にしたつもり)するイケナイ本ではない。電撃文庫ですし。これはひきこもりがスリーピースバンドを組んだ小学生を応援するお話である。
 蒼山サグと言えば「まったく、小学生は最高だぜ!!」という名言を生み出したスポ根ロリラノベロウきゅーぶ!』の作者であり、去年の選挙の際には「投票場所が小学校かどうかなんて引っ越す前真っ先に確認してるに決まってるだろ?」などというキマッてるお言葉を吐いていたりする「おまわりさんこっちです」な筋金入りのロ○コンで、挿絵のてぃんくるはお兄ちゃんが描いた自分の全裸画を夜な夜な回収して回る怪盗少女マンガを描いていたりするこれまたアレな人なので、今作も二人の変態が悪魔合体してさらに編集が悪乗りし、同じ組み合わせの『ロウきゅーぶ!』がアニメ化もされてそこそこ人気でちゃったのもあってやりたいほーだいのロリラノベに仕上げちゃったみたいです。ちなみに今回は小学5年生でロウきゅーぶのときよりも一年若くなっております。清純派ロリが好きな人は挿絵だけでも見る価値ある、かも。帯にもあるけどやたらとお風呂に入るし。
 でもロリなだけの萌えラノベかというとそうでもなくて、感動できる話を書く上で贅肉としてなにをつけるかを考えて自分の好きな音楽とロリを持ってきた、みたいな感じだったので結構バランスがいいというかちゃんと作ってあって非常に好感が持てたので80点くらい。描写も適度であっさり読みやすいのでロリが苦にならなければ割とみんなにオススメ、かも。 (つの)