名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

『Before mercy snow』通販について

停止しております『Before mercy snow 田波正原稿集』の通販につきまして、年度替わりによる担当者の交代・引継ぎと、これまで発送に利用しておりましたクロネコメール便の本年3/31をもっての廃止に伴う発送方法の見直しのため、増刷・通販再開の作業が予定よりも遅れております。
お待ちいただいている方、大変申し訳ございません。

通販再開は、早くとも4月、5月頃になるかと思われます。ご了承ください。

シマウマ書房新店舗千種店の感想

 出版不況によりこの名古屋でも多くの本屋が店を畳んでいく中、
当地の本屋界にて異彩を放つちくさ正文館書店本店の二階では
ある勇敢な行為が為された。
そう本山の古本屋シマウマ書房が支店を開いたのである!
試験も終わり溢れんばかりの暇を有していた私に迷いは無かった。


 とゆーわけで、今日シマウマ書房千種店に行ってきたのでざっと感想を書いてきますね。
まあ実は行ったのは二回目なのですが。


 場所は前述したとおり、千種にあるちくさ正文館書店本店の二階です。
ターミナル店ではなく本館の方なので注意して下さい。
それとちくさ正文館書店本館には階段が二つありますが、シマウマ書房に行けるのは店の真ん中の方の階段です。
その階段からシマウマ書房空間が広がっているようで、なんか色々飾ってあって洒落てます。
また窓にもシマウマのペイントがされていて、当たり前ですがこれは横の公園から見えました。
で肝心の書店ですがそれほど広くはないと思います。でも棚や机が割と間隔を開けて置かれていてゆったりとした良い雰囲気を感じました。
これから本がドンドン入ってくるにつれて迷路の様になっていくんでしょうね。嬉しいのやら悲しいのやら。


 ざっくり紹介していきます。入ってすぐ左の棚は日本文学の棚で、唐十郎の作品が特集されていました。他にも稲垣足穂や、澁澤先生とか種村先生とかの常連客が大勢いましたね。
某エロゲライターのお爺さんとかもいました。
店の右上端の棚は海外文学で、けっこう古くまた我が強い本が多駆った気がします。また薔薇十字社やソムニウム叢書などのマニアにはたまらないものもありました。
というかタントラ・マジック・ノベルズとかいう謳い文句の怪しい作品をついつい……。後、変態眼球おいたんの全集も半分くらい置いてあったと思います。


 特徴的なのは店の中央にある大量の古い映画雑誌やカメラ雑誌、レコード、店の右下端の棚の古い児童文学や旅行本です。
なかなか他では見られないと思います。
後、気になったのが買う人いるのかと思わせるでっかいユングの本の存在や、コドモノ聖書の表紙に描かれている妙に立体感のある蝋燭、
それと時計関係の本がフューチャーされていたことですね。
本山本店にも時計の本は置いてありましたし、店長の好みなんでしょうか。そういえば本山本店の時計は止まっていた気がする。


 他にも色々興味深い本がありました。本店と同じく、濃くてなかなか見つからない本が沢山ある一方、豊富な雑誌類など特徴的な面もあり、
ゆったりとした中で見ているだけで楽しめる場所でした。
又聞きしたところ可能な限り続けていくそうです。大変厳しい中だと思いますがぜひとも頑張っていただきたいです。
最後に、知識が浅く最近記憶力と味覚を失いかけている私の紹介では伝えきれない所が多いと思うので実際に行ってみることをお勧めします。

 
以上長々と読んでいただきありがとうございました。 非常に眠いゾイ……


(詠)

ブログ書きましょう 新歓近いですし

創作短編会やりました

実は去年のクリスマスから数カ月に一度、創作短編会というものを開催しておりました。
内容は、テーマにしたがって参加者に短編を書いてきてもらい、部内で読みあって品評……とまではいきませんが良かった点や悪かった点、難しかったことなどを話し合うというものです。本当は各会ごとに記事にすべきだったのですが、主催者の僕がさぼってました。すみません……。今回、ちょうど一周年ということで簡単にまとめてみました。
書かれた短編は会報としてまとめ、名大祭などに出すつもりです。会報が完成したらまたブログ記事を書きます。

以下、各短編会について簡単にまとめました。最近はサークル内で創作をやっていなかったので、色々と試行錯誤しながら進めていきました。特にテーマについては、内容や決め方など色々と実験してます。

第一回「クリスマス短編会」

テーマはシンプルに「クリスマス」。第一回ということもあって、参加者は六名と最も多くなりました。この時は創作短編会が一年も続くなんて全く思っていませんでした……。

第二回「六月短編会」

テーマは「城」、「都市」、「密室」の三つ。テーマが一つだけだとあまり制限がないな、と思ったので三つのテーマに基づいて短編を書いてもらうことにしました。結果、短編を書いてきたのは僕を含めて二人でした。寂しい……。

第三回「十月短編会」

前回、前々回とは違う方向でやってみようと「全員同じ書き出しから短編を書く」という条件でやってみたところ、「大きな揺れを感じた。」(「」は含めない)という一文から全く別々の物語が展開される面白い結果となりました。参加者は四人。新入生が参加してくれて嬉しかったです。

第四回「クリスマス短編会その2」

テーマは「図書館」、「屋根裏」、「不死」の三つ。テーマの数は第二回と同じですが、今回は事前に三つのテーマに基づいて参加者に設定と簡単なプロットを書いてきてもらい、各参加者はその中から選ばれた三つのプロットのうち一つを元に短編を書く、という方式にしました。あらかじめプロットや設定が固まっていた方が書きやすく、後からも加わりやすいと思ったからです。結果的には参加者数四名と変化はありませんでしたが、自分とは異なる発想を元に書くのはいい経験となりました。

主催者として反省すると、僕の宣伝不足から創作しようというモチベーションをあまり周囲に広げられなかったことが残念です。加えて作品について参加者以外の会員から意見を聞く機会が少なかったのも改善すべき点だったと思います。

グダグダと色々書いてしまいましたが、先ほど書いたように集まった短編は会報として出そうと考えています。完成は三月末を予定しており、販売は名大祭で行うことになると思います。興味がおありでしたらよろしくお願いします。

(龍×4)

『Before mercy snow』通販停止のお知らせ

先日東京で行われた文学フリマにて『Before mercy snow 田波正原稿集』が完売いたしましたので、行っている通販を一時停止いたします。
申し訳ございません。
現在増刷を予定しておりますので、通販もそれに合わせて再開いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

第18回文学フリマに出展します。

11/24に行われる第18回文学フリマに出展します。
会場は東京流通センターの2階Fホール、ブースナンバーはカ-24です。

新刊の「PIT vol.13号」の他、「殊能特集本」や「人外会報」と過去にご好評頂いた「Before mercy snow」を持ってきます。

新刊は200円です。

また新刊の内容は新潮文庫nex最速レビューと志村貴子作品全レビューとなります。

ぜひお越しください。

京フェスレポート2014

10/11(土)から10/12(日)にかけて行われた京都SFフェスティバルに行って来たので、今更ながらちょっとしたレポートでも書こうかと思います。

・本会企画その1 「アニメとサイエンス・フィクション、その系譜」

 出演者はSF・文芸評論家で、名大SF研のOBでもある山川賢一さんと、経済学者、社会学者の稲葉振一郎さん。
 『魔法少女まどか☆マギガ』の世界観の話を起点に、仮面ライダーBLACK、エヴァンゲリオンウテナナウシカイデオン、地球へ、など、同様の物語構造を持つと思われる作品群についてが、その系譜と共に議論されました。
 個人的には、なんか神様みたいな存在が仕組んだボードゲームのような舞台があって、登場人物たちがその中にいたまま破滅するのか、それとも「外」の世界に出ていくのか、という物語構造についての議論や、アニメ、マンガ、ゲームというのは伝統的な児童文学の系譜の中にあるもので、それはつまり「成長」を描くものなんだけれども、その「成長」を描くということの限界、「大人になるということ」の自明性についてもう一度考え直した方がいいんじゃないのか、という稲葉さんの話がとても興味深かったです。

・本会企画その2 「ショートショートの縦*横*高さ―ショートショート作家のきまぐれ放談―」

 出演者は、井上雅彦さん、江坂遊さん、太田忠司さん、田丸雅智さんというショートショートに縁深い4人の作家の方々。
 「ショートショートを極めるには、人生はあまりにもショートショートだ」という江坂さんの会場を沸かせた名言で企画は幕を開け、ショートショートの歴史、各人のショートショートに対する原体験、書き手にとってのショートショートの魅力、そしてこれからのショートショートについてといった内容が田丸さんを司会として順に語られていきました。
 ショートショートは居合のようなもの、とは太田さんの発言でしたが、皆さん共通してショートショートの魅力を、一瞬で世界を変えてくれるような驚きや衝撃といったところに見出しているように感じられました。また、わかりやすいものからひねくれたものまで、面白さに対していくつものバリエーションをもってのぞめることは、書き手にとっても大きな魅力であるようです。

・本会企画その3 「精神医学とSF」

 出演者は、精神科医でSFレビュアーの風野春樹さんと、『盤上の夜』、『ヨハネスブルグの天使たち』で知られる作家の宮内悠介さん。
 宮内さんの次作が精神医学を中心に取り扱ったものになる予定であることから、この企画が催されたようです。
 風野さん曰く、精神医学の療法の中には証拠や理由付けが後からなされるものもあり、「なんだかよくわからないんだけど、効果は間違いなくある」から使用されている療法がだいぶあるそうです。根拠はないんだけど、なんか効いちゃうんだよね(笑)という感じのようです。宮内さんはそれについて、その身も蓋もないところに小説になる面白さがある、と語っていました。
 風野さんは、SFにも機械のガジェットを使って無理やり問題を解決するような身も蓋もないところがあり、それについては精神医学と共通する点ではないか、というようなことをおっしゃっていました。

・本会企画その4 「いい女vsいい女〜スリップストリーム文学の西と東〜」

 出演者は、翻訳家の岸本佐和子さんと、2013年、「爪と目」で芥川賞を受賞した作家の藤野可織さん。
 「スリップストリームって言われてもよく知らないんですよね」というお二人。「スリップストリーム」については、企画前に控室で大森望さんから説明を受けて初めて、「自分たちの好きなヤツじゃん」、「自分が書いてるヤツじゃん」というような感じで理解したとおっしゃっていました。
 企画は、聖書ヤバイ、天地とかつくってるあたりスリップストリーム、という話に始まり、二人が自分の好きな頭のおかしいヤバイ作品について次々言及していく、という感じで進んでいきました。
 コルタサル柴崎友香、村田紗耶香、江戸川乱歩、ランズデール、レ・ファニュなどの作家の作品が主に話題に上がり、それぞれの作品がどれだけヤバイかを自身の趣味趣向や経験談も交えながらノンストップで面白おかしく語ってくださるので、まったく飽きず、聞いていてとても楽しかったです。
 「女性二人の頭おかしいガールズトーク」というのがその時抱いた率直な感想でした。
 ガールズトークというのがどんなものかはよく知らないのですが、きっとゾンビの話とかするんですよね。
 もし可能ならば、お二人の対談をもう一度聞いてみたいものです。

・合宿

 本会終了後の合宿企画では、『皆勤の徒』の酉島伝法さんについての企画や、先日総解説が刊行されたサンリオSF文庫についての企画が行われたりしていました。あと、ネットで一部話題になっているとかなっていないとかいう「東浩紀大論戦」の企画も……。まあ、その企画については僕は現場にいなかったのでどんな感じだったのかは知らないんですけど。本ラノの選考会は、「今年こそはコンパクトに終わらせます!!」とか言いながらもやっぱり昨年同様の議論の長さで、体力と精神力をごっそり持っていかれました。朝6時コースとかはさすがに頭がおかしいので参加しとれんですね。



僕のできるレポートはこのぐらいですかね。他に参加した部員の方で、書き足したいとか書き直したい内容がある人はまあ適宜やっといてください。

合宿会場で『Before mercy snow』とか「殊能特集」とかの販売をしたんですけど、相変わらずの売れ行きで、またも「殊能将之」という大先輩のすごさを感じさせられた次第であります。買ってくださった皆様、ありがとうございました。
京大SF・幻想文学研究会の皆様も、どうもありがとうございました。お疲れ様でした。
京フェス、楽しかったです。以上。(もりぃ)

名古屋SFシンポジウム

9/27(土)に椙山女学園大学で名古屋SFシンポジウムというSFイベントが行われます。
この名古屋SFシンポジウムに、当研究会のOB、そして現部員がパネリストとして登壇します。
参加費は無料ですので、興味のある方はぜひご来場ください。