- 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
- 発売日: 2007/12/07
- メディア: DVD
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俺っちスゲーなーって思うのは、いわゆるスプートニクショックを背景にして物語を展開させてくとこで、なんかでかいへんなのが出たぞーという報を受けて政府の人がそれアカいなんかじゃねえのかと調査しにくんの。ほんでもってそいつから鉄人を守る第一発見者のホーガース少年(主人公)+近所のお兄さん、という構造。ありがちとか言ったやつ、殴るぞ。
そしてもひとつ、これワーナー映画なんですよ。つまりDCコミックスの親会社。ほんで鉄人に主人公がいろいろコミックを見せまくるという、そこで原作にはなかったスーパーマンという概念が持ち込まれる。
クリプトン星からやってきたスーパーマンと、どこかわからんけどとにかく宇宙のどっかから飛来してきて記憶のないアイアン・ジャイアントはものすごく似てる。両者とも白紙の状態で地球にやってきたわけで、だからファースト・コンタクトとその後の教育っていうとあれだけど、とにかくそのようなものが重要。スーパーマンだってアメリカの田舎に不時着して良い二親に恵まれたからヒーローっぽくなったわけで、「もしスーパーマンがカンザスの農場じゃなくソ連に落ちてたらどうなったのかなー」というのが"Red Son"ですね。同人みたいなのをオフィシャルでやるからアメコミはバカだ! でもそんなバカ嫌いじゃないぜ。
ともあれ、鉄人は強いけれど同時に庇護され教育されるような存在であり、とりわけ主人公にとっては父性の代わりであり友人の代わりでもある。そして鉄人が庇護されるものから脱したときにある種のドラマが生まれ、それは同時に少年の成長をも促す。というわけでなんにせよいい映画だと思うなー。アメコミや時代背景に関する予備知識があればより楽しく見られるだろうけど。
つーか「先輩ってこんな映画も観るんですね!」とか言われて軽くへこんだ件。いったい俺を何だと思ってるんだ。
『向日葵の咲かない夏』わりに面白かった、でも俺も再読したくないわ。(片桐)