名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

妖の寄る家―宇河弘樹短篇集 (宇河 弘樹)

妖の寄る家 (ヤングキングコミックス)

妖の寄る家 (ヤングキングコミックス)

 同じ作者つながりかつ、内容的にもつながりがあるのでもう一冊。宇河弘樹の短編が集められた一冊でそのうちの「昭和霊異記」は「朝霧の巫女」の前編に当たる作品です。
 昭和霊異記は「妖の寄る家」、「猫に憑く血」、「山を魅る子」の三編で、朝霧の巫女の主人公である天津忠尋の祖父忠明の話になっています。逆剥ぎとか審神者の設定が出てくるので、朝霧の巫女を読む前に読んでおくと良いと思います。ここで幸せだったころのこまさんの過去を読んでおくと、五巻のつらいこまさんの過去を読んだときにつらさが倍増します。
 「官憲横暴ビーボくん」はビーボくんが組長を掘ったり、ヤクザ屋さんを触手攻めにしたりと怒られそうなぐらいヒドイ話です。たぶん似た名前のキャラクターとは関係はないでしょう。
 「円環の廃都」は良い意味でイメージと違う作品でした。たぶんSFとかハードボイルドとかそんな感じだと思います。
 それぞれの作品がバラエティ豊かで楽しめると思います。(toshi)