- 作者: 井上雅彦
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youkai名彙:少し先の未来を舞台として、ある男が新しい妖怪たちつまり正しく「未来妖怪」達についての名彙を書く話。そこで書かれる妖怪たちは現在知られている妖怪たちのパロディともいうべき者たちで、未来での人類が新たに出会う現象の説明としてあらわれる。その点でいえば、非常に正統派な妖怪たちである。宇宙+実体の不明な恐怖という点で、なんとなくクトゥルフ的な臭いがあった。『未来妖怪』の他の作品にもクトゥルフな趣のある物があった。つまり旧支配者は宇宙妖怪だったんだね、と勝手に思い込んだりした。
夜の鳥:タイトル観たらすぐわかる通り、鵺が作品の一つのテーマになっています。もう一つのテーマは魔を完全に排除する「京都」という都のシステムですね。主人公はルポライターで鵺塚で拾った骨により鵺つまりこの場合、排除されるべき余所者になってしまう。京都の人々の無意識に植え付けられた邪悪なものを排除するというシステムは、有名な「ぶぶ漬け」の都市伝説とか一見さんお断りとかのある意味閉鎖的ともいえるもののことを言っているのかと、考えたりした。