戦争で心身ともに傷ついた青年と歌手志望の娘との愛を描いたアニメーション。
過酷な戦況であったデルタ戦争から一人帰還したマイク。今でも戦場での日々に思い悩まされることがあり、故郷では英雄と称されるも、マイクはその歓迎を受け入れられなかった。マイクは街を後にし、離れた図書館で司書になった。そこで出会った歌手志望のジルに恋をし、互いに惹かれあう。ジルは順調に歌手の道を進み、本格的に都会でデビューすることが決定する。ある日、ジルはマイクを連れて一緒に暮らしたいと告げる。しかしマイクは、一緒になることで彼女の夢を壊すことと、静かな街で暮らしたいという理由から、一人街を出ようとするが・・・。
舞台はおそらくアメリカ、そしてデルタ戦争はベトナム戦争がモデルではないかと思った。主人公のマイクは戦争時の記憶に悩まされていた。罪のない民間人の殺害、戦場で別れた仲間たち。それらの情景を思い出すたび、マイクは罪悪感のようなものを感じている。これはいわゆる「ベトナム症候群」ではないだろうか。
キャラクターはそんなにリアルなタッチで描かれていないのに、ストーリーは妙にリアルだった。悲惨な戦争、復員兵の心の苦悩、アメリカンドリーム、政略結婚、身分違いの恋など、現在のアニメ作品にはあまり見られない、なかなか重い内容の作品だった。ただ20年以上前のアニメであることと、キャラクターデザインが独特であるせいで、登場人物たちの表情があまりうまく表現できていないなと感じた。
余談だがクラブでジルが唄っていたのは松田聖子の「SWEET MEMORIES」という曲らしい。
さらに余談だがこの映画はあるCMを元にしている。元ネタ→http://www.youtube.com/watch?v=zko_eWgm3Wk&feature=related
ちなみに登場人物はすべてペンギンである。
（ワタナベ）
