名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

金剛番長12 (鈴木 央)

金剛番長 12 (少年サンデーコミックス)

金剛番長 12 (少年サンデーコミックス)

 ついに「大男円」を迎えた金剛番長。居合番長と憲兵番長の戦いから始まるが、居合番長の優勢で戦いは進む。そこで憲兵番長がキレて本気を出すのだが、なんと愛刀の「カナリア」を捨てて腕についたベルトを伸ばして剣のように扱いだすのである。このベルトについて全く説明がないので、読者は意味不明のまま読まされることになる。そしてなんだかんだで居合番長が勝つが、勝負を決めた「秘剣」がこれまたショボイ。いったいなんなんだ。
 王狼番長も出てきて敵番長二人と戦う。ピンチになったそのときに死んだと思っていた「ウルフファング」のメンバーが助けに来る。展開がベタすぎるぞ。正直東京23区の番長たちが強すぎて白学ラン(東京都以外の各都道府県最強の番長)たちの存在意義がわからん。明らかに失敗じゃないか。
 ラストバトルはとんでもない。全長300mの番長が殴りあうという特撮チックな展開。相手を殴ったら相手が地球一周したとか書けばどんなトンデモだったかはわかるだろう。終わり方はハリウッド映画ちっくな終わり方だった。
 全体的には馬鹿漫画で非常に楽しめたが、居合番長の師匠の話だとか白学ランのバトルとかもうちょっと描いたほうがよかったんじゃないかと思う。でも逆に勢い重視だからこれでよかったとも言えるかもしれない。(toshi)