丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ (角川スニーカー文庫)
- 作者: 耳目口司,まごまご
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/10/30
- メディア: 文庫
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第15回スニーカー大賞《優秀賞》!!
神楽咲高校に入学した咲丘は、「丘研」の入部案内を見て直感した。これこそ〈風景〉を愛する俺のための部活だと! 部室に向かった咲丘は、代表・沈丁花桜(じんちょうげさくら)と意気投合、早速入部。だが、丘研の正体は「オカルト研究会」。沈丁花の世界征服の野望のために日々活動していたのだ。「君は完膚無きまでに自分を知られたことはあるかい?」知ること=支配すること。世界を知るための戦いが始まる!!
奇人変人集団がヒャッホウするお話。テーマは"普通"。短編形式なんだけど、それぞれのエピソードが時系列順でつながりもあるため、区切りのよくついている長編なのかも。私こんなイカレタ系作品しか薦めてない気がするけどたぶん気のせいって事でゆるして。スニーカー史上最凶とか銘打ってあるけどそんなことない。いびつな魅力はある。この作品、題名のわりにオカルト分は弱いし物語の展開にも物足りないところがあるんだけれど、キャラクター同士の掛け合いとか設定とかに作者の妄執というかなんかイロイロおかしいものが詰まってて、文章のクオリティに対してのぶっ飛びかたがすごく秀逸。変人って結構その辺にいっぱいいるよね、とか思ってる人は楽しく読めるとおもう。主人公含め全員がそれぞれ違う変態(キチガイ)なのでそーゆーのダメな人は完全にダメかも。いきなり自分理論語りだしちゃったりするしね。世の中の波風に負けずキチガイキャラを描き続けてくれるメンタルの強い作者はそうそういないので、あとがきでまだいろいろ書きたいものがあるっていってたし、今後の作品に期待したい。(つの)