名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

ムシウタ(岩井恭平)

ムシウタ〈01〉夢みる蛍 (角川スニーカー文庫)

ムシウタ〈01〉夢みる蛍 (角川スニーカー文庫)

 つい大人買いしてしまった…!まだ全巻は読み終わってないですがチラッと紹介をば。
簡単に言えば、夢を喰われた少年少女による異能バトルものです。様々な夢をもった彼らが様々な立場で自分の夢のために戦います。
彼らは虫憑きと呼ばれていて、自分の虫に夢を喰わせることで強力な力を発揮できます。ただし、夢を失ってしまうと虫が成虫化して暴走します。虫を殺されると、欠落者になり、たださまようだけのゾンビになります。主人公は対虫憑き機関(通称”特環”)のエージェント。内外の虫憑きに悪魔と恐れられる彼はどうしてそんなに強いのか。なにと戦っているのか。そんなお話です。
 『消閑の挑戦者』では論理というか、ごちゃごちゃ考えて動くタイプのキャラクターが多く、うまくできているタイプの小説になっていましたが、『ムシウタ』はアツいです。
感情を揺さぶるパワーがあり、わりかし冷血漢なわたしでもついホロリとしてしまいます。まぁそうゆうところも小説家の技巧なんでしょうが、うまいとはいいたくないですね。わたしはそこまで凍ってないので。だいぶ長いシリーズになってますが、ハズレのないシリーズなので図書館などで見かけたらちょっと手にとってみてください。買う場合、10巻が品薄になっているみたいですね。フルメタの何巻かも絶版になってた時期があったり、ラノベ出版も不思議な世界ですね。