名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

小市民シリーズを読んで

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

小市民シリーズというのは、米澤穂信の「春期限定いちごタルト事件」から始まる推理小説のことだ。
人の死なない推理小説で、ラノベと一般文芸の間と表現するのが当てはまる読みやすさ。主人公・小鳩とヒロインである小山内さんは「小市民」を目指している体を装っているが、中高生にありそうな、自分を変えたくて何かになろうとしてるけど、結局表面だけで本質的には変われていない感じが読んでいて面白い。また、小山内さんの感情表現や行動はなかなかに面白いというかあざとい。スイーツ。
春・夏・秋の3部作が出ているが、冬期は果たしていつ出るのだろうか。
(えふ)