『スワロウテイル序章/人工処女受胎』（籘真千歳）

スワロウテイル序章/人工処女受胎 (ハヤカワ文庫JA)

揚羽chan可愛い！

僕が本当に言いたいことはそれだけなのですが、なんだか怒られそうなのでダラダラと。
本書は『スワロウテイル』シリーズ三作目で、位置づけとしては一作目『人工少女販売処』の前日談になります。まあ「序章」ってついてますしね。で、僕は二作目『幼形成熟の終わり』は読んでないので二作目ではどうか知りませんが、少なくとも本作の揚羽chanは一作目を上回る可愛さで、もう揚羽chan可愛いとしか言えなくなるのは致し方ないことなのです。可愛い。
作中の大半を女子高（みたいな学園）で過ごすおかげでルームメイトや手のかかる後輩たちと仲良さげにがーるずとーく（要出典）する揚羽chanがね、可愛いんだけど……まあそんな幸せな生活長く続かんよね……って感じでこうね……ね？　一巻では基本的に鏡子さんと陽平とのからみしかない揚羽chanもこんな会話をしていた時期があるんだなとか思うと……ああネコ耳はあざといっ！　あざといよ揚羽chan！　そんな挿絵を見せられたら僕はもう……。

まあ大体こんな感じですよ。本作は非常にラノベ臭い側面もありながら、物語終盤には定番の作者の語りパートもふんだんに入ってるので「あーそういえば『スワロウテイル』ってこんなんだったな」と言わしめる一冊になってます。『スワロウテイル』だと思ったらおとボクで、おとボクだと思ったら『スワロウテイル』だったぜ！　みたいな。よくわからない例えですが。あとは揚羽chanが生き生きしているのはもちろんのこと、鏡子さんや学園の生徒たちなどのサブキャラクターもよく動いていてキャラ小説として確立されているだけでなく、ストーリーも「持ち上げて落とす」が一冊の中で綺麗に決まっているので良いですね。

（葛宮）