名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

フィンランド式残酷ショッピングツアー

やった期待通り70分無駄にできたゾ!

ロシア人の母と息子は文化的で安全なフィンランドへ観光バスツアーにいっていた。買ってもらったスマホでそこら中を撮影するクソガキははしゃぎまくり、ノイローゼ気味の母親はそれに対してヒステリーをおこす。そんな中、バスはショッピングセンターに着き、ツアー客は貸し切りでショッピングをすることとなった。だが突如フィンランド人が襲ってくるのだった。命からがら逃げだした二人は助けを求めるが再び襲われてしまう。それもそのはず、フィンランド人は夏至祭前になると外国人を食べるのであった!四面楚歌の状況に置かれた親子は生き延びる事ができるのだろうか?

いやー、ひどかったタノシカッタ。
本作は少年のスマホで撮られた動画という体のPOV方式で作られた70分の食人系ホラーです。
あらすじの通り、温厚で教養深く素敵なはずのフィンランド人が野蛮なロシア人をムシャムシャしちゃうC級映画なんです。フィンランド人が襲い掛かってくるまでが長いとか、延々と母とクソガキの親子喧嘩を見せられるとか、スマホの充電持ちすぎじゃね?とか、母親が襲われているのにカメラ回し続ける息子はカメラマンの鑑とか、これホントに70分なの?とか文句言うのは野暮な事です。そんな事、タイトル見ればわかるではないか。

よかった?所を挙げていきましょう! 
フライパンでフィンランド人をボコボコにするシーンは感動しました。クソガキが元カノに電話をかけるシーンがあるんですが、その女の子のセリフがとても春樹っぽかったのも印象に残っています。また延々と親子の映像を見せられる中で、意外と思春期の息子と母親の関係の描写が上手いのではないか、父を亡くし傷ついた親子の再生劇としては良いのではないかと錯乱し思いました。後、ラストのシーンの何故カメラが引いていくのかについて深く考えれば、立派なCULT映画として見られるかもしれません。

70分という気軽に手に取れる長さの映画なので、もし超絶に暇であれば、一度ご覧になってはいかがでしょうか? 

(詠)