- 作者: 木々津克久
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: コミック
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さて、脳をコキャッとやったりクローン人間作ったりする技術は倫理的に問題ありで封印ナウ、開発永遠中止ナウである。が縛るのが人なら解くのもまた人なので、禁じられた技術といえもしそこに自分の欲望を満たす術があるのなら、使わないわけはなかろう。
そこで登場するのが、倫理などというちっぽけなものに決してとらわれないマッド美少女ドクター・フランである。しかし倫理のない無頓着な解決法はむしろさらなる悲劇をもたらすことになる。依頼人たちはえてして自滅するかもっとひどいことになる。が、彼らの帰着とはつまるところフランの純粋な無頓着に反射した彼ら自身の欲望であり、彼らがひどい結末を迎えるというならきっとそれはろくでもない願いだったのだ。多分。
もちろん「三つの願い」類型や「猿の手」などの過去から綿々と連なる「願いで自滅」系ストーリーのバリアントとしても非常に珠玉の出来であるし、グロと少しのお色気もチャンピオンRED的であることだ。虫の回が飛びぬけて評判が良いが、船の回掲載時のREDに生首が飛ぶ漫画が5、6本あったことも覚えておいて良いだろう。(片桐)