名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

トリフィド時代(ジョン・ウィンダム)

トリフィド時代―食人植物の恐怖 (創元SF文庫)

トリフィド時代―食人植物の恐怖 (創元SF文庫)

植物SF第三弾。『地球の長い午後』や『人類皆殺し』よりもパニック小説度が高い。

出版社/著者からの内容紹介

地球が緑色の大流星群の中を通過し、翌朝、流星を見た者は一人残らず視力を失ってしまう。狂乱と混沌が全世界を覆った。今や流星を見なかったわずかな人々だけが文明の担い手だった。しかも折も折、植物油採取のために栽培されていたトリフィドという三本足の動く植物が野放しになり、人類を襲いはじめたのだ! 人類破滅SFの名作。(アマゾンからコピペ)

自分以外ほとんど盲目のなかで主人公は二つ、いや三つの敵に遭遇する。食人植物トリフィド、盲人たち、そして盲目になっていない者たちである。思うに、トリフィドだけならなんとかなった。盲目の人が増えたことも、それだけならなんとかなっただろう。二つが重なるとどうにもならない。
けれどこの小説、イギリスの中でうろうろしてるだけだからか、パニック小説の癖にどこかこじんまりとした読後感がある。他のパニックものと比べ題材が地味というのもあるんだろうな。(片桐)