名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

バットマン:ハーレイ&アイビー(ボール・ディニ&ブルース・ティム)

バットマン:ハーレイ&アイビー (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

バットマン:ハーレイ&アイビー (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

何度も、何度も――裁判所は奴らを刑務所や精神病院に送り込む。
けれど奴らは逃げ出して、俺たちは同じ問題に直面する。何度も、何度もだ。
- Twoface "Batman: The Long Halloween"

さてバットマンにおける諸問題のひとつとして、ヴィラン(悪役)の扱いがあります。せっかくバットマンが捕らえた魅力的な悪役を、ただ刑務所や精神病院の中で腐らせているわけにはいきません。そういうことで彼らはいとも簡単にそこを脱走したり、「完璧に治ったな」もとい精神病が完治したという名目で野に放されたりするのです*1。それを受けての元地方判事補の悲痛な叫びが上記ですが、肝心のヴィランたちはそんなこと関係なく今日も元気に犯罪三昧です。
本書ではそんな悪役たちのうち二人――ジョーカーに感化されヴィラン(ここはヴィラネスといったほうが良いのでしょうか)となったハーレイ・クイン、そして植物大好きポイズン・アイビー――の日常が描かれます。全三話で「脱走・冒険・再収監」をきっちりやってのけるわけですね。アホの子ハーレイに振り回されながらも結局彼女を見捨てられないアイビーがなんとも可愛いと思うのですが、どうでしょう。絵もトゥーン系で読みやすく、実はイヤーワンと並びバットマン入門には良いのではないかな?と思いもしました。


今日の分も無理っぽかったので代わりに。(片桐)

*1:このあたり微妙に問題があるような気がする。ポリティカル・コレクトネスが足りないというか