名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

非(ナル)Aの世界(A・E・ヴァン・ヴォクト)

非(ナル)Aの世界 (創元SF文庫)

非(ナル)Aの世界 (創元SF文庫)

時は2560年。宇宙はいくつもの帝国から成り、「銀河系連盟」が結成されている。地球には「ゲーム機械」があり、それが司るゲームに合格した人が政府の要職につき、あるいは金星行きの資格を獲得する。「非A」人ギルバート・ゴッセンはこの「ゲーム」に参加すべく「機械」市にやってきたが、いつのまにか銀河系的規模の大陰謀に巻きこまれてしまったのである。(アマゾンの内容紹介)

内容紹介にはこうあるけれど、実際には「ゲーム」がどんなものなのかの説明はほとんどなく、前半でいきなりゴッセンは銃殺されてしまいます。そして、なぜか金星で復活したゴッセンが紆余曲折経て地球に帰ってくると、銀河系帝国と金星との戦争が始まるそんなお話です。金星は2018年に初めて人類が到達し、2560年の時点で人口が2憶3914万3318名という設定です。展開が急な割に用語や世界観の説明が少ないので、読み進めるのに一苦労でした。

非(ナル)とは非アリストテレス主義(non-Aristotelianism)の略です。一般意味論という論理学の一種らしいのですが、解説は面倒なので興味があるというもの好きな方はがんばって調べてください。これを究めると、自分の精神と肉体を完璧に制御できる超人になれます。

あまり深く考えずに勢いで読みきってしまうのがいいと思いました。(安保)