名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

紅(松尾衡)

紅 1 [DVD]

紅 1 [DVD]

原作?なにそれ。ああ、それ違う話。
五月雨荘に住む駆け出しの揉め事処理屋・紅真九郎の元へ、恩人であり尊敬する大先輩・柔沢紅香が1人の少女を連れて来た。世界屈指の大財閥の御令嬢、九鳳院紫の護衛を依頼したいと言う。世間知らずだが好奇心旺盛な紫との共同生活に慣れた頃、彼女を狙う人物が2人を襲う。依頼の裏に隠された彼女の真相を知ったとき、真九郎が選んだ行動は…(Wikipedia抜粋)
今日7月7日は某「心へ2」の某赤髪の姉の誕生日なのですが、そのゲームを紹介するわけにもいかないので、わざわざカテゴリーを付け加えて、「紅」です。
この作品の面白さは日常パートのほのぼのとした笑いと、ふと訪れる深みの両面性を持っている点ですね。どちらかだけでもやっぱりここまで面白い作品にはならない。最近のドタバタ萌え偏重作品からは群を抜いてよく出来てます。笑いや深みの要素は色々なところからやってきますが、それに一番貢献しているのは、なんと言ってもヒロイン(?)九鳳院紫です。あらすじには書いてませんが、この娘、7歳です。小学1年生の年齢です。あちゃー。ロリコン狙いかよ。まあ、確かにその意図はあったのかもしれませんが、彼女は普通にいい女だと思います。私にはまったくロリコンの気はありませんが、それでも彼女の凛とした態度や、それでもやっぱり7歳という幼さを残している点などは、とても魅力的に感じられます。
さて、原作についても触れますかね。原作はスーパーダッシュ文庫片山憲太郎作のラノベです。ラノベとアニメ、絵柄も雰囲気もかなり違います。よって、お決まりですが原作ファンからはあまり評判がよくない。「原作と違うじゃないか」と。しかし、その相違がいい方向に働いているのなら、それは賞賛すべきではないでしょうか。私も原作は全て読みましたが、アニメのほうが面白い。原作の中二病的なバトルものくささや、紫の一言であっさり奮起、大逆転勝利する単純な真九郎君はアニメではすっかり消えています。作画も、個人的にはアニメのリアルなものの方が好みです。また、原作の方が読者をニヤリとさせるような狙ったネタが多いです。しかも、その割には表現しきれていないという。普通とは逆の傾向ですね。原作厨には確かにオススメできませんが、単純にいい作品を見たいだけなら、是非是非アニメをどうぞ。
更にアニメの魅力といえば主題歌ですね。まあ、OPは置いといて。ED新谷良子の「crossing days」はかなり評判の良い名曲です。しかも映像がかなりセンスよくパステル調でやわらかくポップにまとめてあってぐっどです。
まったくSFではないですが(元々全く気にしてませんが)是非。


少年は高校生で揉め事処理屋。
暗い生い立ち故に、愛想笑いで身を守り、普通に憧れている。
が同時に、そんな自身と葛藤している。
信じて埋め込んだ強さの象徴・・・それは本当の力なのか。
少女は特異な大財閥の娘。
運命を呪うことも、外の世界も知らない少女の瞳は
実に真っ直ぐでおそれを知らない。
素直さ故に表出する彼女なりの正義・・・
それは運命への反抗なのか。
そして、少年と少女は出会った。
少女は云う「子供だからといってバカにするな!」
少年は想う「バカは俺のほうだ・・・」
子供と大人、女と男、二人はどうお互いを鏡見るのだろう。
守るべきものが見つかったとき、人は強くなれる
公式サイトより(坪田)