名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

『Watchmen』読書会

今日(書いている時点で昨日ですが)は『WATCHMEN』読書会がありました。詳しい内容は、録音を文字に起こしたものを、後日何らかの形で公表するのでここでは何を話し合ったかの概略だけ書いておきます。

  • 作者解説。原作者「アラン・ムーア」の来歴、人間性について。イギリスでの活動と渡米後の活動について。
  • 作品解説。出版当時の世界について。冷戦との関わり、プレ歴史改変ものという認識。「ヒーローの実在した世界」という思考実験としての本作について。
  • 章毎の解説。サブタイトルの解題について、内容との関わり、表現技法について。特に「対称性の恐怖」における強迫症じみた表現について。
  • 主人公について。群像劇の中で主人公をあげるとすれば誰になるのか、ということ。主人公の定義について。何を以て主人公、非主人公を決定するのか。
  • 登場人物の位置づけについて。3人の超人と多くの凡人、その中間に立つ1人の「コメディアン」について。
  • 市井の人々について。何を意味するのか。新聞屋や精神科医たちとその最期について。
  • 漫画内漫画『海賊』について。メタファーとしての漫画について。何を、あるいは誰を意味するのか。「海賊」の終わりと物語の終わりとのリンクについて。
  • 映画版との違いについて。ラストでの表現の差異の是非について。核爆弾かイカ爆弾かということ。
  • なぜ、ソ連にはDr.マンハッタンにあたる人物がいなかったのか、ということについて。Dr.マンハッタンの作劇上の意味について。核に代わる一方的な抑止力という存在。実は製作実験はしていた説。赤くないから説。
  • Dr.マンハッタンと対決したという「モーロック」の往年の強さについて。
  • パロディについて。「絶対に妥協しない人」と原作者「アラン・ムーア」の女体化漫画について。パロアニメについて。

他にもいろいろと話しましたが、5時間近い内容をここに簡単に書いてしまうのは勿体ないのでこの程度で。
最後に話題に出た『Watchmen』のパロアニメのURLを貼っておきます。Saturday Morning Watchmen。誰かメイド版ロールシャッハ:「絶対に妥協しないさん」の画像を持っている人がいたらください。