名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

東方三月精 Oriental Sacred Place (1) (比良坂 真琴)

東方三月精 Oriental Sacred Place (1) (角川コミックス)

東方三月精 Oriental Sacred Place (1) (角川コミックス)

 今回からサブタイが変わり三月精第三部となりました。前回から神社の近くに引っ越した三月精たちがくりひろげるドタバタなコメディなのは相変わらず。登場キャラたちがなんだかペドいのも相変わらず。東方を知らない人でも普通に読めるようになっているのが、三月精の特徴だと思う。儚月抄は明らかに「ファン」向けの作品だった。話のうちに使われる題材が民間伝承とかの馴染み易いものであるというのも知らなくても読めることの理由の一つだと思う。
「神社の裏側」:神社の神棚に勝手にお酒が置かれていることを知った三月精が神社の謎を解き明かそうとする話。神社の謎を解き明かしてゆくゆくは神社を乗っ取ろうと意気込んでいるが、次の話からは全くそんなそぶりが見えない。これは2話完結式にしているせいなのか、妖精の自由奔放さを表しているのか判別がつきかねる。魔理沙は妖精よりな性格をしてるね。
「石の下にある物」:みんなで肝試しをする話。基本的に怖がりな妖夢魔理沙に敬語で話すルナチャイルドに萌えておけばいいよ。三月精とチルノが仲良さそうにしてるので、「妖精大戦争」は終わってるらしい。バカルテットはほぼ公式設定とみていいようである。幽霊でスイカを冷やす、その発想はなかった。さすが魔理沙だ。
「不動の信仰」:お地蔵さまの信仰に関する話。命蓮寺で縁日があるということなので、時間軸的には星蓮船以降ということになる。小町が再登場、映姫様もひとコマだけ登場する。映姫様が元はお地蔵さまであったという設定がこれで確定。お地蔵さまを盗んできたりと魔理沙は自由すぎる。最後でバチを受けてるけれども。魔理沙三月精はなんだかんだで相性のいいキャラなのだと思う。
「イクチとナメクジ」:三月精がキノコ狩りする話。あと三すくみについての話が出た。蛇と蛙の神様はもう出てるので、蛞蝓の神様が登場するフラグかもしれない。ハイテンションなサニーとスターがかわいい。「おはスター♪」「おはサニー♪」。魔理沙が勉強家というか好奇心の強さを物語るようなエピソードあり。この点でも魔理沙は妖精的な性格である。オチは古いというか、神主らしい感じのオチ。
 今回のおまけCDの曲は二曲。「神域のかくれんぼ暮らし」はコメントにある通り三月精にしてはかっこつけすぎな曲。もう一曲の「妖怪モダンコロニー」はダブルスポイラーの曲のフルバージョンらしい。こちらもかっこいい。 (toshi)