名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

妖精配給株式会社

妖精配給会社 (新潮文庫)

妖精配給会社 (新潮文庫)

すいません昨日更新(テキストファイルをコピペ)するの忘れてました(汗)
以下本編(?)です。

この本二回目です。ただ扱う作品が変わっております。よく考えると別に短編集なんだから同じ本でも作品違うので二回目でも問題ないですよね。
しかし相変わらずネタばれが多いかもしれませぬ。
星新一です。

あと、私が更新忘れたときにいつも代わりに更新してくれているもう一人の月曜担当さん、本当にありがとう。心から感謝してます。

沈滞の時代

すべてが平穏な世の中で、ひときわ異彩を放つ「吸血鬼対策本部」。偶然タイムカプセルから発見された吸血鬼についての論文を見た人々は”当然のように”見た事のない吸血鬼への恐怖に立ち向かうべく対策本部を結成する。そして彼らは吸血鬼の探索中に人工冬眠のカプセルを見つける…。
こんな感じの話。

この前テレビで、日々を退屈だと思っている人は洗脳されやすいみたいなことを言っていました。というのをなぜかこの文章を打ちながら思い出しました。私の頭は平穏と退屈は同義語だと言いたいのでしょうか。
部室でハーモニーはBad Endなんじゃないかって言ったら、覚えてないけど誰かに即座に否定されました。というのをさらに思い出しました。完全と平穏を結び付けるとなぜ私がそう思ったかなんとなくわかりました。まあ確かにそれを悪いと思うかどうかってのは人それぞれですよね。

おみやげを持って

はじめての恒星間宇宙飛行に成功した乗組員たちは不老不死の秘法をお土産にして帰路についていた。帰路の途中、彼らはなつかしい地球の品々が入った箱を宇宙空間で見つける。突然の慰問品に喜ぶ乗組員たち。しかし、その中の一人がその箱の正体に気付く。その箱はその乗組員が子どもの頃に埋めたタイムカプセルであった…。
これが何を意味するのかといったら、という話。すいません上手く書けませんでした。

乗組員の心情を思うと胸が痛みます。しかし作者が描いているのは当然ながらそこではないんですね。今までそのことが当たり前だと思っていましたが、本のレビューをしようとしたことではじめてそのことにほんの少し違和感を感じました。いや、それが嫌だとかじゃないんですよ。小噺に心情描写つけろってわけじゃないんですよ。なぜかこの乗組員に感情移入してしまったようなのですが、その原因はこの作品のもつほんの少しの具体性(箱の中身についてチューインガム、エハガキ…などと詳しく書いてあった)によるものなのかなと思います。これだけでこのような微妙な読後感になってしまうというのに多くの作品はそうはならないで伝わってほしいであろうことがしっかりと伝わってきます。と考えると作者はやはり描きたい部分を描きだすのが上手いのだなと再確認させられました。

そして以上から思ったこと

これじゃほんとにブログみたいじゃないか。とか思いました。ブログだけど。もっとレビューっぽく書いた方がいいのだろうな、と。
自由なネット環境がないと本当につらいです。いろいろ。蛇足でしたね。
(小)