- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: 文庫
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星新一にもそろそろつらいものが出てきましたので他の人を。
作者は森見登美彦です。「夜は短し歩けよ乙女」の人ですね。この作者の作品は部室にかなりあると思うので読んでいる方もいるのではないかと思います。私はこの作者の本は二冊しか読んでいませんが…。
SFじゃないのはご愛敬という感じで…。
この本は「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」という有名どころな作品を作者が独自の視点で…というより独自の世界観で書き直した感じの作品集、となっております。とりあえずこの本全体に言えることとして、作者の他の作品を知らずにいきなりこの本を手に取った人のことをあんまり考えていないんじゃないか?と思ってしまうほど過去作品とのつながりが多いです。というかこの作者の本全部こんな感じなのかな?読んでないのでわかりませんが…。知ってる人は、これってあの本のあの描写のことだよなーみたいな風に割と楽しめるのかなと思います。まあストーリーの根幹にかかわっているわけではない(あくまでファンサービスのような感じ)のでこの作品から読んでも十分よいのではないかと。
かなり有名な作品をリメイクしたのだと思います。がしかし、私がきちんとストーリーを細かく記憶しているのは悲しいことに走れメロスくらいなもの…。やはり元となる作品を知っていた方が楽しめるのではないかなと思います。
走れメロスについて書こうと思いました…
とりあえず読み終わった感想としましては、切り口と細かいネタがすべてなのかな、と。もう少し自分が若ければもっと読んでいて面白いのだろうなと思うと残念です。ではつまらなかったのかというと…まあ面白かったのではないかなとは思います…。いや、というのもレビュー書くためにゆっくり時間をおいてところどころ見返してみたのですがやはり作者には作品を通しての独特のテンポがありますので、あまりがっつりと読むとだんだん面白くなくなってしまう…。
切り口が面白いと思うのですが個人的にはこれがすべてだと思いますので、あまり細かいあらすじは省きます。とりあえず原作さながらに…と最初は書こうとしましたが、実はストーリー的には原作とあまり一致していません。原作からの表現の引用はあります。原作と大まかな流れも一致しています。それなのに説明しようとするとこんなにも別の話なのか?と驚きました。そう考えると非常に書き方が「上手」なのだろうなと。
まあ、なんといいますか、好き嫌いが分かれる本だと思います。部室にあったような気がしますので気になれば是非。
キャラについてもっと掘り下げるのが次回ブログの目標ですかね。
独特すぎて私にはうまく表現できません…。というか表現するならば変人とツッコミ役しかいないような気がします。そこがきっとこの作者の個性であり面白さだと思いますが。。
(小)