名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

東方儚月抄~月のイナバと地上の因幡 下巻 (あらた としひら)

 三誌合同連載をしていた東方儚月抄の最後の一冊。他の儚月抄と区別するために主人公がウドンゲなのにちなんで、「うどんげっしょー」という愛称で親しまれています。残りの二つが一応シリアスストーリー(という設定)だったのに対して、こちらは気の抜けたコメディな内容となっております。そのため初期設定だと殺伐とした感じのある輝夜と妹紅の関係にしてもこれだと「トムとジェリー」のようなほほえましい関係に見えます。
 基本的に話はウドンゲが苦労するという話であり、感想を書くほど内容が無いというゆるゆるな感じです。それでも深読みというか誤読をすれば感想も出てくる。最後の方になると綿月姉妹が何度も出てくるのですが、これは月の都と幻想郷で交流が始まったのではないかと取れる。それともこの二人のキャラは恐ろしく不人気であまりにも不憫だから登場回数を増やしたのではとも思える。
 正直東方知らない人にとっては特に面白みのない漫画でしょう。しかし微妙に詰め込まれたネタになら反応できるんじゃないかなと思う。『デスペラード』ネタとか完全に不意打ちだった。(toshi)