名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

15のわけあり小説(ジェフリー・アーチャー)

15のわけあり小説 (新潮文庫)

15のわけあり小説 (新潮文庫)

ジェフリー・アーチャーの新作短編集です。

全15編で成っており、その内の10編はいつも通り実際に起こった出来事を元にして書かれています。

基本的にはよくある「意外な結末」な短編が多く、その種類は詐欺、愛、裏切り、人種、能力など多岐にわたっています。

特に面白かったのは「遺書と意志があるところに」、「私は生き延びる」、「メンバーズ・オンリー」、「外交手腕のない外交官」あたり

「メンバーズ・オンリー」と「外交手腕のない外交官」は中編くらいにして書いても面白かったんじゃないかと思う。

「私は生き延びる」はコン・ゲームものだから、『百万ドルをとり返せ!』みたいな感じで長編にすることも出来るかも

「迂闊な取引」も面白いには面白いが、所謂「悪魔との取引」もので、この辺は日本だと星新一がやりつくしてる感があるので新鮮さはなかったなと

古いアーチャーの短編と比べると、オチにキレが足りないような気がする。前作にあたる『プリズン・ストーリーズ』よりは良かったけど、物足りない感じが(ヒガシカタ)