ジャクリーン・エス with 腐肉の晩餐 血の本(2) (血の本) (集英社文庫)
- 作者: クライヴ・バーカー,大久保寛
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1987/03/20
- メディア: 文庫
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『ミッドナイト・ミートトレイン』に続くクライヴ・バーカーの「血の本」2冊目。収録作は「腐肉の晩餐」「地獄の競技会」「ジャクリーン・エス」「父たちの皮膚」「新・モルグ街の殺人」の5編。
表題作がなんかに似てると思ったら、あれだ。ラストがマキャモンの「わたしを食べて」だ。それと『ファイアスターター』のチャーリーが人生に失敗した感じの。
「腐肉の晩餐」のほうは、恐怖の定量化とかトラウマのほじくり返しとかマッドサイエンティストしっぺ返しだとかいうこと自体にそれほど新味はないけど、ベジタリアンの女の子をおいしく焼けたステーキと閉じ込めて経過を観察するというバキバキに悪趣味でグロテスクな実験を描写しちゃうのが偉いと思いました。
ほかの作品は、モンティパイソン的な何かが下地にある「地獄の競技会」、表向きはいかにもB級ホラーな触手モンスター跳梁跋扈の「父たちの皮膚」、言うまでもない「新・モルグ街の殺人」など、作者の他ジャンル換骨奪胎同工異曲ぶりが見て取れるラインナップだったりします。
1巻と3巻がすごく面白いので繋ぎに読むのにはいいんじゃないですか。(片桐)