名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

氷菓

私は今日のブログで日記を書く予定でした。まあしかし今週新しく本を読むのかと言われたら読まない可能性が高い(正確には奇術師を読むのだろうがここにはレビューを載せない)のでまあこれからは過去に読んだ本もレビューしようかなと思います。
…しかしレビューになってるのか不安でしょうがないです。そして多分なってません。

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

米澤穂信の処女作です。割と有名な作品で知っている方も多いかと、そして好きな方も多いかと思います。しかしその方たちには申し訳ないですが私は好きではありません。まあおもしろいかどうか聞かれたらおもしろいと答えますが。

「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」がモットーの高校生が日常に起こる事件を解決していく。
一応あらすじのコピペも載せておきます。

神山高校に通う何事にも積極的に関わろうとしない省エネ主義を自負する高校生、折木奉太郎は、姉の勧めで古典部に入部する。そこで出会った仲間と共に、日常に潜む様々な謎を解き明かしていく内に、古典部の文集「氷菓」に秘められた33年前の真実に挑むことになる。
(Wikipediaより引用)

そんなモットーの高校生がなぜ事件に関わっていくのか。好奇心の申し子であるところの千反田えるの「わたし、気になります」の一言から押し切られる形で「やらなければいけないこと」と折木に認識させ、事件を解決させていきます。
内容については日常系のミステリーです。最後のは一応歴史物なのですかね。

私がこの小説が好きではない理由は二つあります。ひとつは主人公である折木のキャラ、二つ目は千反田のキャラです。というかすべては千反田のキャラが原因で、彼女は好奇心の塊で気になったことはどんな手を使ってでも調べる!というキャラでしたら好感が持てるのですが妙に節度をわきまえているのが少し気に入りませんでした。お嬢様キャラということもあるし、そのギャップがまた…という方も多い、というかそっちがマジョリティだから人気なんだと思いますが、個人的にはそこがギャップというより一貫性の無さに映りました。また、折木については「その節度を多少わきまえている」千反田に簡単に振り回されていくのが少し納得いきませんでした。
早い話が個人的には二人が中途半端なキャラだと感じる。ということです。

話の内容自体は楽しめるものですしかなり読みやすいのでお勧めです。
(小)