名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

終末のプロメテウス(アンダースン&ビースン)

終末のプロメテウス〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

終末のプロメテウス〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

終末のプロメテウス〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

終末のプロメテウス〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

なんか原油流出事故がサンフランシスコ湾内で起こったので、こんなこともあろうかと開発していた石油食うバクテリアを撒いたらそれがプラスチックも食いだしてさらにわやくちゃになる話。説明終わり。

バクテリアが人を介し国内にどんどん拡大していく描写はキングの『ザ・スタンド』と結構重なるところがあり、そもそも章題がカタストロフ小説のタイトル(『渚にて』『悪魔のハンマー』など)だったり、R&Rの名曲タイトル(『悪魔を哀れむ歌』『永遠の詩』など)だったりするのも小ネタ的に面白いところです。最後がものすごく急展開なところ、明らかに未解決の部分が一箇所あることを除けば、災害ものとして十分面白いのではないでしょうか。
(片桐)