名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

銀河英雄伝説

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

銀河系に一大王朝を築きあげた帝国と、民主主義を掲げる自由惑星同盟が繰り広げる飽くなき闘争のなか、若き帝国の将“常勝の天才”ラインハルト・フォン・ローエングラムと、同盟が誇る不世出の軍略家“不敗の魔術師ヤン・ウェンリーは相まみえた。この二人の智将の邂逅が、のちに銀河系の命運を大きく揺るがすことになる。日本SF史に名を刻む壮大な宇宙叙事詩星雲賞受賞作。

amazon(「BOOK」データベースより)
20年ぐらい前のスペース・オペラで、正伝10巻・外伝5巻の長編。ちゃんと完結するのはいいことです。アニメがとても長いことでも結構有名。
作品内で大体一貫しているのは主人公補正があまりないことと、わかりやすすぎるフラグが簡単に立つこと。特に死亡フラグ。歴史の一部分の抽出という形を採り、物語の時代背景の説明が多いことと、後世からの見方が地の文に入ることが特徴的で、フラグが簡単に立つのはそのせい。例外がほとんどないため先の展開が予想しやすく、ある意味自分でネタばれしているともいえる。
登場人物の多くが軍隊の指揮官や参謀・政治家であるため、ストーリーは政戦両略が中心。戦略・戦術による知恵比べが戦いの場となる。要するに熱血キャラによる殴り合い等によって戦闘の勝敗が決まるわけではないということだ。ガンダムに用はない!
サクサク読めるため、長編を敬遠している人にもオススメ。アニメは長すぎるので、おそらく原作を読むより時間がかかる。…こっちはあまりオススメしない。(武)