名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

そして誰もいなくなった

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
さまざまな職業、年齢、経歴の十人がU・N・オーエンと名乗る富豪からインディアン島に招待された。しかし、肝心の招待主は姿を見せず、客たちが立派な食卓についたとき、どこからともなく客たちの過去の犯罪を告発してゆく声が響いてきた。そして童謡のとおりに、一人また一人と…ミステリの女王の最高傑作。

名大の古本市で手に入れたものではないけれど、同じクリスティなのでいいかなと。
ミステリの古典であるにもかかわらず、犯人が誰なのかあまり知られていない作品。結果としては全員死亡なので犯人をいちい言いふらすことができるわけではないのは確か。固有名詞を上げたところで読んでない人にはさっぱりだからだろう。この作品によって、連続殺人事件中に「実は死んだふりをしていたのさ」というトリックが有名になった。「死んだふり」に作者は知恵を絞らないといけないが、「死んだふり」ネタであることを読者に知られないようにすることも作者の腕の見せ所。読んでいて面白いが、本が古く黄ばんでいたので、落丁になってないかと別の意味でハラハラしながら読み終えたのもいい思い出。(武)