名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

死亡フラグが立ちました! 七尾与史

死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)

死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)

本屋で見て、タイトルが面白かったので購入。

第8回『このミステリーがすごい!』大賞作品らしいです。内容は、トランプのジョーカーのカードが送られてきた人間が、24時間以内に、「思いがけない何か」が起こって死んでしまう、というものです。この小説の中で死ぬ人は、ありえないだろうというトリックやいくつもの偶然と思える事柄の積み重なりによって、見事に死んでゆきます。

この設定、どこかで見た気がします。そう、あの映画、『ファイナルデスティネーション』です。この映画でも、登場人物がありえない死に方をしていきますね。小説中にもこの映画についての言及があったりするので、気になる人は映画を見てみるといいです。

この「ミステリ」小説、犯罪のトリックやギミックにとてつもなくムリがあり、ギリギリのバランスで成り立っています。(ありえないトリックなのに、登場人物が「なるほど!そういうことか!」みたいなノリでトリックを見破る様子は面白い)ミステリというより、エンタメ的な作品として読むのが吉です。(小野)