- 作者: 飴村行
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2010/05/22
- メディア: 文庫
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時代設定は相も変わらず大戦時の日本。主人公たちの住む町は前作の隣町であり、前作との強い関連性がある。今作は前二作との関連性が強く、一作目のキチタロウや二作目の登場人物の名前が出たりしている。今作の主眼は二人の兄弟が一人の女を巡って争うところだと思う。第一章でその争いに決着がつくにはつくが、その処理のせいで後々に影響が出てくる。今作もまたナムール出兵がある。屑な上官とか独自の生物など前作を踏襲しているが、上官の屑っぷりはランクアップしている。今作でもう一つ重要なのは謎の「黒助」だろう。まったく謎の生物(?)であり何度も登場する。実はオチに深く関わるものであるので、これが何なのかは読んで確かめよう。
粘膜シリーズは文章力というか構成力はシリーズを追うごとにパワーアップしている感はあるが、それに反比例してグロテスクさは低下しているように思える。その点では残念だが、シリーズを追うごとに面白くなっていっているためそこまで気になるほどのことではない。