- 作者: 飴村行
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2009/08/22
- メディア: 文庫
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前述のように主人公はまたもや暴君的な小学生であり、ヘルビノという蜥蜴人間が共存する世界である。家出をした母親、召使いのヘルビノ、同級生、その同級生の兄、死人を蘇らせる魔術などが絡み合いホラーミステリ的な様相を呈している。途中でなんとなくなにがあったかの仄めかしはあるが、最後の展開を予想することはかなり難しいであろう。前作に続いてグロテスクな描写は秀逸ではあるが、多少のパワーダウン感は否めないことと思う。だがその一方では、話の構成は前作よりもかなり良く全体としては前作よりも良いと思う。
このシリーズはすこし「マラボウ」という単語が出すぎじゃないかと思う。ヘルビノの召使いが主人公の「マラボウ」を褒め称えるシーンは見ていて「これはひどい」と思った。結末をみたあとでこのシーンを考えるとより一層ひどい。でも「グッチャネ」ばかりいっていた前作に比べるとおとなしくなったような気がしないでもない。