名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

『目を擦る女』『奇憶』(小林泰三)

目を擦る女 (ハヤカワ文庫JA)

目を擦る女 (ハヤカワ文庫JA)

内容(「BOOK」データベースより)
「わたしが目を覚まさないように気をつけて」隣室に棲む土気色の肌の女は言った。指の付け根で目を擦りながら―この世界すべてを夢見ているという女の恐怖を描いた表題作、物理的に実行不可能な密室殺人を解明する驚天動地の推理劇「超限探偵Σ」、無数の算盤計算によって構築された仮想世界の陥穽「予め決定されている明日」ほか、冷徹な論理と呪われた奇想が時空間に仕掛ける邪悪な7つの罠。文庫オリジナル作品集。

「刻印」は宇宙船が落ちてきたと思ったら、自分の部屋には人間と同じサイズの蚊。パニック系の話かと思えば純愛物語だった…。ノリとテンポが良くて面白かった。
「予め決定されている明日」は、ほのぼのとした雰囲気で

全体的にSF系で、ホラーの小林泰三が好きな私は「そこまで…」と言った感じだった。

奇憶 (祥伝社文庫)

奇憶 (祥伝社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
現実生活はみじめなものだった。恋人も去り、大学も行かず、金はない。だが〔夢〕だけはよく見た。そこでは鬼の顔をした老婆「よもつしこめ」が囁くのだ。「物心がつくと世界は一つしか見えなくなる」と。そうだ、子供の時、僕は確かに二つの月を見た。あれははたして現実だったのか?現代人が忘れてしまった、無垢な子供が感じる〔もう一つの世界〕を描く、奇想ホラー

あらすじ詐欺感がある…。
あらすじ読むと、ホラーっぽいなあとか思いきや、ひたすら駄目人間が描かれていくだけだった…。主人公の駄目人間っぷりに泣けてくる。

(あずま)