- 作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/07/01
- メディア: 文庫
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いきなり移相夢に関する説明から物語は始まる。それは人間の脳をスキャンしロボットにコピーする際に、コピー先のソフトウェアが見るとされるものである。ただしコピーされた脳が目覚めたときには移相夢の内容に関する記憶はない。
多くの病気にかかっている主人公はロボットへ意識を乗り換えることにする。しかしロボット会社側からの移相夢に関する説明の多さに違和感を覚える。どうせ思い出せないものになぜここまで深く説明をするのか。その後、主人公は病気で倒れてしまう。そして搬送されている最中に彼は看護師からおそろしい解釈を聞くこととなる。
他人に内容を説明するだけでも大変な作品であった。序盤の移相夢についての内容はなかなかに難解で、理解するのは大変だった。ただ主人公が倒れたあとの話の混乱や自意識に関する問題提起などは興味深い。結局どこまでが真実でどこまでが夢あるいは妄想なのかがわからない、というあたりも個人的にとても面白かった。でもそういう内容はよく見るような気がするぞ・・・?
(ねつ)