アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
- 作者: フィリップ・K・ディック,土井宏明,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/03/01
- メディア: 文庫
- 購入: 70人 クリック: 769回
- この商品を含むブログ (443件) を見る
この物語に出てくるアンドロイドは、肉体的にも人間そっくりで、知性も感情もあり傍目には全く人間と区別がつきません。むしろアンドロイドの方が人間よりも優れているようにも見えます。しかしアンドロイドにはたった一つ欠点(人間と違うところ)があります。それは感情移入ができず、他者や動物に対する「優しさ」というものがないということです。
この物語にはとても人間的に思えるアンドロイドが出てきたり、そもそもそんな人間的なアンドロイドに破壊するバウンティーハンターは人間的なのかという疑問が出てきて、ますます人間とアンドロイドの境界は曖昧になっていきます。そこが面白く、また「人間とは何か、どうあるべきか」ということを考えさせられる点でした。
sf作品なのに始終人間のことを書いたとてもメッセージ性の多い作品でした。(鍋)