- 作者: 永島裕士,紅緒
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/08/10
- メディア: 文庫
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なかなかに面白くて、京大の人はよく訓練されたよい審美眼をお持ちなんだなーと思いましたさ(褒め殺し)。
原寸大(人が乗れるぞ!)の戦車やら戦闘機やら装甲車やらを作ってみんなで遊ぶ「模型部」の過去の栄光はどこへやら、部員は減りとうとう廃部寸前に。活動実績がないのに無駄に場所をとる「模型部」を疎ましく思った生徒会は、過去の部員の思い出が詰まった遺作(やゴミ)を強制的に片付けようとして、「模型部」部員たちは深い悲しみに包まれようとしていた。そんな時転校生が窮地の「模型部」に舞い降り、彼の勧めで「模型部」一同は生徒会に活動を認めさせるための実績作りに立ちあがる。かくして「模型部」の夏がはじまるのであった、まる。
あらすじ(あまぞんあたりでみてくださいな)から漂う謎の『ほうかごのロケッティア』臭さは置いといて、本作を読んでまっさきに思いついたのは生協の定食ってこんな感じだよなー、ってこと。なんかこう不満はないし、お腹すいた時に選択肢の一つとして必ず挙がるんだけど、あえて誰かに生協行くことは勧めないよなー、みたいな感じ。
展開にとってつけた感があるのは気になるけれども目くじらたてるほど目立つわけでもないし、本当よくできてるなーとしかいいよいがない。粗がない代わりにほめるとこもそんなにないというか、よく言えば安定なんだけど悪く言えば目新しさがない。その辺りがすごく生協の定食っぽいと思ったんですよ。日の目を見ない面白いラノベを推薦して、人に知ってもらおうという本格なんちゃら大賞のノミネート作として選ばれるのはいいチョイスだと思いましたよ。さすが四年目ともあっていい審美眼をお持ちですね(褒め殺し)。
まあ、今年の大賞をとるのは『人形遣い』であることは(私の中で)すでに決定事項なんですけどもね。だって百合だよ?
(くずみや)