名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

ナイト・ウォッチ&デイ・ウォッチ

留年するかもしれないことは秘密だし、原作読んでないことも秘密なんだぜ。

光と闇のドンパチを描いたSF映画。原作は(ロシアで)大人気。映画も(ロシアで)大人気。
ロシア映画の娯楽作でございます。三部作の二部まで。と聞いていましたが、原作は四部作。あれれ?

ナイト・ウォッチは光の種族の主人公アントンとその息子イゴール、呪われた女スヴェトラーナを中心に、
アントンがあっちに行ったりこっちに行ったりします。ストーリーの説明が圧倒的にへたくそなのは
ご勘弁。アントンが頭悪くて笑えるのですが、それでも息子のための涙ぐましい奮闘は話の骨格となっています。
特徴は、フクロウ女ことオリガのデコの広さと、じめっとした映像描写。マトリックス以来のVFXと言われた、
何番目かの作品ですが、これは特筆に価すると思います。異界と呼ばれる別の層の世界の描写や、1000年前と
現代がオーバーラップする場面は素敵でした。

デイ・ウォッチはその続編。主要キャラは変わらず。序盤でちょっとしたロマンスシーンがあるのですが、
悪ふざけとしか思えないキスシーンで大爆笑してしまいました。
ところで、前作で「〜があったので、世界は闇に包まれるだろう」みたいなエンディングだったのに、
冒頭でいきなり「それを免れるには、〜があればダイジョーブ!!」みたいなのは、どうかと思いますよ。
VFX描写は進化していて、電線で車をぼっこんぼっこんなぎ倒すシーンや、水銀の散弾が飛び交うシーンは
良かったです。さらに、どうでもいいところの描写も進化していて、車がビルの壁をごりごり登るシーン
なんか要らないし、アントンが両手を引っ張られてビルどころか地面ごと真っ二つになるところとか、
笑える場面でしかなかったです。クライマックスなのに。
見所は相変わらずのアントンの頭の悪さ。あとスヴェトラーナの頭の悪さ。イゴールは親父が好きなのか
嫌いなのかどっちやねん、といったところ。

共に飽きさせない作りになっていますし、見て損は無いと思います。(H賀)