- 作者: クトゥルー神話事典制作委員会,森瀬繚
- 出版社/メーカー: イーグルパブリシング
- 発売日: 2009/10/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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三つ目
表紙からすでにアレかつタイトルもこれ以上ないほどに冒涜的なタイトルである。さらにニャルラトホテプ(ナイ神父)が陽気な黒人ラッパーだったり、キザイア・メイスンが美少女魔女っ娘であったり解説のところに「ヤリマン女神は孕みっぱなし」などのファンキーな文章が見受けられるように内容も名状し難いことになっているのである。
しかし、ただ単に萌えだけを狙ったものだと侮るなかれ、「図解クトゥルフ神話」などを手がけた森瀬繚氏が監修しているだけあって解説などはかなり充実している。さらに、普通の邪神の絵も載っているためちゃんとした邪神たちの姿も知ることができる。そのためクトゥルー神話を知らない人にとってみれば、非常にとっつきやすいクトゥルー神話世界への銀の鍵となりうるだろう。不満な点といえば、擬人化・美少女化するにあたってもう少し元の面影を残すことは出来なかったのだろうか、全く元の邪神がわからなかったりするのである。元の要素を残せば美少女化など不可能であることは分かっているのであるが、もう少し何とかなったのではないかと思う。
でもよく考えてみれば邪神の擬人化などと言えばニャルラトホテプは「名状しがたきバールのようなもの」を持った銀髪少女や日焼けしたしゃべくる青年であったり、クトゥグアは赤髪のツインテール少女だったりするのでそれに比べたらこの本に載っているイラストは特徴を残している気がする。何も問題はないな。
しかしラヴクラフトも自分の死後70年以上たった日本で自分の作り出した邪神たちがこんなことになっていようとは夢にも思わなかっただろうな。(toshi)