名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

そして彼女は拳を振るう

昨日、久しぶりにラノベを買ってみた。タイトルは『猫耳父さん』。出オチな気がしないでもないが、内容的にはコメディタッチでほのぼのした雰囲気の良作である。
猫耳父さん』と『そして彼女は拳を振るう』に何の関係があるのかと言えば、単純に作者が同じなのである。そんでもってこっちのがどちらかというと有名だから『そして彼女は拳を振るう』をレビューすることにしたという、ただそれだけ。
作者の「松原真琴」は著作よりも定金伸治乙一と行った旅行記の方が有名という少し残念な人だが、別に作品の出来とは関係無い。無類のジャージ好きで『そして彼女は拳を振るう』の続編でジャージ神とか出したりする。
上にちょっと書いたけど『そして彼女は拳を振るう』は好評だったのか、その後「そして」シリーズとしてあと2冊出版された。挿絵を小畑健が描いているのだが、巻を追う毎に主人公の顔が漢になっていくのが泣ける。
内容の話。主人公の園原八重は代々霊感持ちの家系に生まれるが、なぜか彼女だけ能力がえらく低い。聞こえるが見えない、憑依はできるが話せない。そんな彼女が現在の持ち霊、「十郎」と「美果」といかにして出会い関係を築いていったのか、というのがメインの話。あと憑依合体して江原みたいのと闘ったりする。オーバーソウルはしない。
全体的に優しい小説なので、重たいSFに疲れた時にでもどうぞ。