- 作者: 定金伸治,エナミカツミ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/05/25
- メディア: 文庫
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でもそんなに面白くなかった。
哲学で戦う男塾という言葉は、全く完全に100%正しかった。しかし、哲学しながらも男塾をしているので、理論で戦って肉体で戦ってと非常にややこしい。どちらかにするか、両者をわかりやすく差別化するかして欲しいのだが、この全く要素の異なる二つの戦いに境界がなく、それでいて完全に融合していると言うことも無い。
その上登場人物は何故か漢化した少女たちであり、胸がなかったり生殖機能を持たなかったりと、必要性があるのか無いのか分からない世界観が設定されている。男性にも生殖機能はなく、生まれる子どもたちは全て試験管ベイビーだ。主人公もムッキムキで、御丁寧なことに美人ではないと繰返し繰返し主張されているのだが、絵を見ると普通に可愛いと言うのもまた問題だろう。
果たしてこれだけの設定を詰め込む必要があったのだろうか。そもそもの話、「哲学で戦う」というところからして上手くまとめきれていないのだ。ただ今後続編が出て風呂敷が広がってくれば、この設定量に相応しいくらいの話の膨らみが出てくるのかもしれない。期待はしないが続編を待つ。(條電)