名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

シュレディンガーの猫耳少女 (村田 治)

久しぶりの更新となってしまいました・・・
春休みなので時間はあると思うから、どんどん本を読んでいきたいですね。

シュレディンガーの猫耳少女 (HJ文庫)

シュレディンガーの猫耳少女 (HJ文庫)

ある日帰る家を失った如月良晴は、町をさまよううち、シュレディンガーと名乗るネズミに導かれ、洋館にたどりつく。そこには猫耳の少女、ジルヴィアがいて、百年以上もここで過ごしているという。ジルと仲良くすることを条件に一緒に暮らすことになる良晴。心を閉ざしたままのジルに対し、数々のアプローチでジルの心を開こうと悪戦苦闘する良晴だが…。(amazonより)

原作がゲームだったりするライトノベルはたくさんありますが、元ネタがフィギュアなライトノベルというのはとても珍しいですね。ただし、何でもかんでも「シュレディンガー」って付ければSFっぽくなると思ったら大間違いだぜ!これはSF?ファンタジー?伝奇物?


まず小説は、主人公君の家が消えるところから始まります。  え?  まぁ存在確率が揺らいじゃったなら仕方ないよね?量子力学っぽい!


そして、「シュレディンガー」は、どう絡んでくるんだろうなぁと思っていたら、錬金術師のネズミの名前でした。錬金術って、オカルトの真骨頂じゃないですか!科学と魔術が交差するとき、物語は始まってしまうんですか!?


しかし、この小説の見所はそんなところではないと思います。だって、猫耳少女ですよ?しかもツンデレシュレディンガーさん(実物)みたいな、あんなにひどい動物虐待(「シュレディンガーの猫」参照)なんて出来るわけありません。していいわけありません。私が許しません。
後半に進むにつれ、シリアス度が増して行き、なかなか萌えることができなくなってしまうので、前半でジルさんにどこまで萌えられるかが、この小説の楽しみどころではないかと思います。個人的には、ジルさんが猫耳を触られちゃったところをオススメしますが、これはご自分で読んで確かめてくださいね。(小野)