東京までSFセミナーへ行ったんよ。
ということで聞いた企画の紹介などをば。ただ当日寝坊したのと部室に取りに行くものがあったのとで大幅に遅刻したさ。ただ本会の最後のコマ、「ライブ版SFスキャナー・ダークリー」には間に合ったのでよかったよかった。
本会:ライブ版SFスキャナー・ダークリー
この企画は翻訳家の中村融さんインタビューということで、今回一番楽しみだったもの。というのも、中村さんは私の好きなアンソロジー『影が行く―ホラーSF傑作選』の編者なのだ。
- 作者: フィリップ・K.ディック,ディーン・R.クーンツ,Philip K. Dick,Dean R. Koontz,中村融
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2000/08/23
- メディア: 文庫
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- 目玉となる短編は「影が行く」と「ヨー・ヴォムビスの地下墓地」
- 上記2編を入れることと、収録短編数を13編にすること(ホラーSFアンソロだから)は最初から決まっていた
- G・R・R・マーティンの「サンドキングズ」、マイクル・シェイの「検視」は入れたかったけど版権が取れなかった
- 「巻頭にパンチの利いた作品を入れることで読者を掴め」という人もいるけど、『影が行く』の場合はむしろ小品(マシスン「消えた少女」)を配することで間口を広くしたかった
- 逆に『ワイオミング生まれの宇宙飛行士』を編集したときはSFマニア向けのものを意識したので、衝撃のある巻頭作を意識した
- 「ヨー・ヴォムビスの地下墓地」は既訳に引きずられて重厚な文体になってしまったが、実際はもっと軽い文体の方が良かった
などなど。またシオドア・L・トーマスの「群体」は箸休めポジション、というのには思わず笑ってしまった。あらすじ(スライムが下水から吹き上がって街中の人を食い尽くす、というだけの話)からしてしょうがないけど。でも初めて読んだ中学生のときは「ヨー・ヴォムビスの地下墓地」「ごきげん目盛り」「探検隊帰る」の次くらいには好きだったよ!
合宿
本会も終わり、知り合いと「いつ来たのさ」「海中探査ロボットの話面白かったよ」など話しつつ合宿会場の旅館へ。
合宿オープニングのジョー・ホールドマンのスピーチがアメリカンなノリで楽しかったさ。合宿は行きたい企画を探す形式なので、以下参加した企画紹介。
合宿:中村融の部屋
本会の続き。中村さんの大学在学時の話などを聞きました。昔の中央大がものすごい秘境めいたところにあった話とか。基本的に合宿企画はオフレコの話が多いのであまり具体的に書けないのが残念といえば残念。
合宿:SF翻訳講座ライブ版2013
「最近の若者は翻訳しない、ウェブで大量に未訳短編が読めるのに」ということで、アマチュアの翻訳原稿を翻訳家の大森望さんが添削してくれる素敵企画。
翻訳されたのは、イアン・マクラウドの"The Crane Method"、ヘレナ・ベルの"Robot"、エイダン・ドイルの"Hokkaido Green"、ケン・リュウの"The Bookmaking Habits of Select Species"、キジ・ジョンソンの"Mantis Wives"。容赦なく突っ込まれたり褒められたり、若干恐ろしくも楽しい企画だった……というか"Mantis Wives"担当してました。誤訳突っ込まれてぐえーってなったさ。あとで「カマキリの技名考えるの楽しいですよね」とフォローしてくれたSFマガジンの海外SF紹介担当、橋本兄貴の侠気に大感謝じゃん。
合宿:若者部屋
若い人々が集まる部屋。年齢制限が京都SFフェスティバルのものよりも高かったため、年齢層は若干高めだった印象。