名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

「ロビィ」読書会

 
 4月26日に新勧読書会を開きました。課題図書は『われはロボット』(早川文庫SF)の「ロビィ」。人数が多かったので、某読書会にならい、全体を2つに分断。初の試みです。片方のグループがうるさくて同じ部屋にいたもう片方が声聞こえなくて議論できないというトラブルも発生しましたが大体順調に進みました。(別室に移動してこの問題はすんなり解決。)むしろ分けた方が意見出てよい。講義みたく司会がホワイトボードの前で仕切るよりも、少人数でわいわい話し合わせたほうが参加者は自分の思いを口に出しやすいみたいですね。今後の短編読書会につなげたいです。

 
 私のいたグループでは、ロビィが人間らしいか否かについて主に議論が交わされました。そのなかで問題になったのがプログラム。プログラムにのっとっているのかいないのかみたいなのが論点になっていた。最後にSF研OBのY先生が「1940年にはプログラムない」みたいな当たり前の発言して、一同「せやな」と思い無知を反省。でもよくよく考えたら『ロビィ』の初出戦中だって読書会3日前くらいに読んだ『鋼鉄都市』の解説に書いてあったし基礎セミナーでコンピュータの成立は戦後だって授業受けたわ。前提知識があっても、現代っ子の感覚からすると、やっぱロボットにはプログラム入ってるでしょうという感覚が強い。先入観があった。Y先生も「今の子はプログラム持ってると考えるのが自然なのかも。逆にジェネレーションギャップを感じて面白かった」とおっしゃっていました。

 
 他にも興味深い意見がたくさん出ました。人間と似てるか似てないかで作品が描きたいことって変わるよねという感想には結構感心。ディックの『電気羊はアンドロイドの夢をみるのか?』はロボットが人そっくりで「人間とは何か?」というのがテーマにある。一方でこの作品のように人間とロボットの間の差が大きい場合は、お互いをどう理解するのかが主題に関わってくる。ロボットと人の異文化理解が問われているという説。深い。(もしかしたらSF界隈ではよく言われてる話なのかもしれないけれど…私は知識ないので知らない。)これ以外にもたくさん深イイ話を皆がいってくれたのですがいっぱいあって全部書くと記事にまとまりがなくなるし、長くなるので割愛します。


 新勧読書会は終わってしまいましたが、SF研はまだまだ新入生募集中です。365日誰でもウェルカム。社会人は無理かもしれないですが、名大の院生や2年以上の学部生はもちろん、他大学の学生も歓迎します。5月10日には新歓食事会もあるので、気になった方は是非第一サークル棟の部室までお越しください。
(現会計)