名大SF研記録ブログ

名古屋大学SF・ミステリ・幻想小説研究会

嘘をもうひとつだけ 東野圭吾

嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

部室にある東野圭吾をなんとなく読んでみるシリーズ2回目(今作った)
今回は『嘘をもうひとつだけ』
表題作「嘘をもうひとつだけ」他5作品収録の短編集。
一応、加賀恭一郎シリーズらしいが、私は他の加賀恭一郎シリーズを知らない。
多分他の加賀恭一郎シリーズだと加賀恭一郎が主人公なんだろうけど今回はあくまでも加賀恭一郎は刑事で容疑者の前に現れるといった感じ。
この本は犯人誰でしょーか?みたいな話じゃなくて容疑者がだいたい1人か多くて2人でその容疑者が主人公になっている。
そんな主人公(容疑者or犯人)に刑事である加賀恭一郎がやってくる。
んで、だんだん追いつめられていく主人公。
みたいな構図。

まぁ短編を1,2個取り上げると
「狂った計算」

数日前から必ず菊とマーガレットを買っていく女性客・坂上奈央子。彼女はつい先日、交通事故で夫を亡くしたという話だった。加賀が彼女を訪ねたのは、行方不明となっている建築士・中瀬幸伸が、彼女と親しくしていたという噂を聞いたからだった。夫を亡くした妻と行方不明の男。加賀は事件の真相を探りにかかる。
(Wikipediaより)

これは4番目ってことで、この構図に疲れた頃にやってきてかなり読むのにだれてきてた気がする。
なんか主人公甘いなぁと思った。
浮気相手とよくいってた喫茶店なんて刑事が会いに来たあとで行っちゃ駄目だろ。
とか思ってみる。
最後でそういえば最初になんか言ってたなぁと伏線がなんとなく良い感じだった。

「友の助言」

加賀の友人である萩原保が交通事故を起こした。一命は取りとめたが、十数か所を骨折。萩原は入院を余儀なくされた。病院に見舞いに訪れた加賀は、萩原に睡眠薬を飲まなかったか?と話を聞く。しかし、萩原は飲んでいないと言い張るばかり。加賀は萩原に今回の事件を推理し、語り出した。
Wikipediaより)

この本では唯一加賀恭一郎が主人公を追いつめていない。
主人公の「敵」ではないみたいな感じ。
他の短編読んでると主人公が容疑者な所為で加賀恭一郎って嫌な奴だなっていう印象受けるけど、この作品だとそんな感じしない。むしろいい人。
まぁ、ひぐらしの鳴く頃にで大石さんは祭り囃子編とか大石サイドだといい人だなぁって思うけど
、祟り殺し編だとすっげー嫌な人だと思うのと同じ感じだなあと思う。
こんなんで分かる人いるんだろうか…。

全体的には良い感じで最後に「友の助言」だったこともあって読後感もよろし。
久々に面白かったなあって思える本だった。


とか思ってアマゾンみたら不評だった・・・

(あずま)